2024年11月– date –
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セールスマンの情報で新商品を
K社は食品の特定分野に特化したメーカーで、同業他社百数十社の中でベスト10に迫る位置にいる。しかし、目前の目標に手が届きそうで届かない状況が続いている。その理由は、現在の売上の8割以上を3種類の主力商品が占めており、それ以外の十数種類の商品が... -
部下に経営計画を立てさせて
S社は業界トップクラスに位置する大手企業で、業績も安定している。創業者である社長は、数十年にわたり地道に事業を発展させ、現在の地位を築き上げてきた。その過程では数々の危機を乗り越えており、経営者としての手腕と覚悟は揺るぎないものがある。 ... -
評論家社長
A社は、自社ブランドの商品を自ら販売する独立企業だ。しかしながら、独立企業としての誇りや活力はほとんど感じられない。品質面でも優れておらず、業界内での地位も低く、いわゆる限界メーカーに位置している。社内には停滞した空気が漂っている。 昭和... -
組織いじりばかり
L社の社長は、組織をいじるのが何よりも得意だ。一年に三、四回は組織を変える。その理由は単なる趣味ではなく、経営が思うように進まないのは組織に問題があるせいだと信じ込んでいるからだ。 自社製品を扱う独立企業でありながら、業績は極めて低迷して... -
陣後督戦型社長考
業績が低迷している企業の社長において、最も典型的なのは、この章で取り上げた陣後督戦型の社長だ。 自ら先頭に立つことを避け、部下の努力や成果に頼って業績向上を図ろうとする。これほど経営者として無責任な姿勢はない。こんなやり方で業績が向上する... -
重傷の身で経営計画を
三紅印刷の古川社長が名神高速道路で交通事故に遭い、救急病院に搬送されたとの連絡が入った。幸いにも、右手首の骨折と肋骨の軽いヒビで済んだとのことだ。 翌日、お見舞いに行くことにした。病院の場所がわからなかったため、まず会社を訪ねた。そこで、... -
経営計画に五千枚のメモ紙を
M社長から突然の電話があった。もちろん面識もなく、全くの未知の人物だ。話を聞くと、どうやら私の著書『経営計画・資金運用』を読んで感銘を受けたらしい。そして、全く新しい視点で「経営計画」を作成したので、一度会ってその計画について批評してほし... -
一万枚の名刺
L興業の社長N氏は、まだ五十歳には達していない。同社の業績は優秀なだけでなく、非常に安定している。その理由は、主要な取引先が異業種の6社に分かれていることにある。 一つの業界に依存し、一つの取引先だけに頼るリスクを考えれば、L興業の安定した業... -
テープ。レコーダーを肌身はなさず
N電機のS氏は、まさにアイデアマンと言える人物だ。自社製品の多くが彼自身の発想から生まれている。その中でも主力商品は特許によってしっかりと守られており、会社の業績は驚異的な水準に達している。それにもかかわらず、彼は一切自慢することなく、... -
お金とお客の話ばかり
A温泉にあるAホテルは、業績が好調で、従業員の訓練も行き届いている。社長であるA氏は、社長室で一人になると、いつも財務データに向き合っている。 不在の際には、社長の机の上に財務書類がきちんと整理されて置かれている。何度確認しても、一度たり...