2024年11月– date –
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暴風雨の最中に顧客巡りを
鹿児島市には吉岡バナナという会社があり、バナナの輸入加工と建売住宅事業を展開している。建売住宅事業は始めてからわずか3年にもかかわらず、すでに鹿児島で有力な業者としての地位を築いている。その成功の鍵は、吉岡社長が顧客サービスにおいて徹底し... -
一日二回配送を
黒部市に拠点を置く東洋化成は、塩ビホースの専門メーカーだ。石油ショック後の長期不況の影響で一時的に売上が落ち込んだものの、すぐに回復し、その後は売上が右肩上がりを続けている。生産が追いつかないほどの需要がありながら、同業他社よりも販売価... -
顧客あっての企業
石油元売業者であるM社のセミナーで、「自社の石油が顧客に選ばれなければ、会社は倒れることになる」と話したところ、参加者から「まるで青天の霹靂のようだった」と感想を伝えられた。その反応に驚かされたのはこちらの方だった。 この、あまりにも当た... -
我が社の未来を語る
昭和41年、約15人の仲間とともにS精密株式会社を訪れたことがある。当時、従業員数はおよそ650名だった。創立から20年以上にわたり、ただ一度の例外もなく3割配当を維持し、驚異的な成長を遂げている優良企業である。 さらに、同社は優れた労務管理でも名... -
この次は俺の番だ
L社は、約20のガソリンスタンドを運営する石油販売会社だ。同社は所属する石油元売業者の系列内で、売上高では最近トップ10に入るレベルだが、収益面ではおそらくトップを占めていると考えられる。 さらに、驚異的な成長力を持ち、あと2〜3年でトップ5入り... -
一国一城の主になれる
N製作所は社員数が約20名ほどの小さな会社だ。しかし、業績は安定しており、決して悪くない。主な仕事は小型の自動旋盤を使った部品加工だ。一見すると風に吹き飛ばされそうな小規模企業だが、侮れない。まさに「山椒は小粒でもピリリと辛い」を地で行く存... -
僕は株主様だ
S酸工のS社長との出会いは、昭和四十年の秋だった。きっかけは、私が講師を務めたあるトップセミナーへの参加だ。夜になると、彼は私の宿泊していた部屋を訪ねてきて、さまざまな話を聞かせてくれた。その中でも特に印象的だったのが、S酸工で導入され... -
未来を語ることこそ労務管理の基本である
経営者が社員に求めるものは、能力の高さ以上に、強い勤労意欲と情熱を持って仕事に取り組み、長く職場に定着してくれる姿勢である。こうした意欲を社員に引き出すことは、長年にわたり経営者にとって重要な課題であり、また深い悩みの種でもあった。これ... -
カウンセラー。システムまでとりながら
B社の社長が抱える最大の悩みの一つは、社員たちの勤労意欲の低さと、不平不満が社内に蔓延していることだった。些細な個人的な問題というより、自己中心的な要求や相談が次々と社長の元に持ち込まれる状況が続いていた。 社長は、「一倉さん、他の会社で... -
部下と話合いをしすぎて
C社の工場長は、社長の弟であり、常務取締役の立場にもある。性格は穏やかで、人間関係を重視する姿勢が特徴だ。社内の人間関係に常に目を配り、その改善に向けて尽力している。 作業環境に問題がないか、上司としての対応に不足がないか、常に気を配り、...