2024年11月– date –
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売掛金がたまって困る
T社は問屋業を営んでおり、社長の頭を悩ませていたのは、売掛金の膨れ上がりだった。問屋間の競争が激化する中、セールスマンたちは小型トラックに商品を積み込み、ドライバー兼営業マンとして活動していた。小売店の店主が店頭で客の対応をしているタイミ... -
資金繰表から決定を下す
T精織の経営計画を立てる際、まず社長の意向を反映させながら年間の利益計画を策定した。内容はかなり意欲的なものだった。 通常の手順であれば、次に資金運用計画を立て、それを利益計画と組み合わせて資金繰り表へ展開する。しかし、設備投資もなく、特... -
資金運用計画から設備投資を
J製作所は、創立から50年以上の歴史を持つ。創業者である初代社長の堅実な経営方針により、利益率はそれほど高くないものの、内部留保は充実している。現在の社長体制においても、業績には特に不安要素は見られない。 しかし、工場の建物は老朽化が進み、... -
勘定あって銭足らず
先日、経理士が提示した決算書を見てみると、前期の利益が予想以上に出ているようだ。しかし、自分としてはそれほど利益が出ている実感がどうしても湧かない。本当にそんなに利益が出ているのなら、資金繰りがもっと楽になっているはずではないか――これがC... -
経営者は資金運用の勉強を
中小企業の経営者が集まる場で、資金繰り表を作成している会社がどれくらいあるのか尋ねた。約20社中、2か月先までの資金繰り表を作っているのはたった1社だけで、他の会社は全く手をつけていなかった。 S銀行のF支店長はこう嘆く。「私たちの仕事はお客様... -
資金運用計画は企業体質強化のため
S社の専務が語った「資金運用計画は、単なる資金運用にとどまらず、経営体質を強化するためのものだ」という言葉は実に的を射ている。この考えを裏付けるいくつかの実例を、本章で取り上げている。 資金運用を単なる資金繰りのような経理業務と捉えること... -
金利から目を放すな
S精機は、抜群の業績を誇る成長著しい中堅企業だ。この会社から学んだことは数え切れない。どれをとっても感心させられるものばかりだが、その中でも特に印象的なのが資金運用だ。資金運用計画をもとに設定された活動基準が非常に厳格に守られている。その... -
一〇年後のバランス・シートが決まっている
D精密は創立から20年にわたり、高い収益性と成長を維持し続けている超優良企業だ。間もなく株式が第二部に上場される見込みである。同社には10年間に及ぶ長期経営計画があり、その中では10年後のバランスシートがすでに設定されている。それだけでも驚きだ... -
計画どおり病
K製作所では、5年計画を策定している。取締役のM氏は、「先のことはわからないから経営計画を立てるのは無駄だ」と考える経営者もいるが、それは間違っていると話す。 例えば、我が社の場合、長期的な賃金の統計を取りグラフ化してみると、ほぼ一定の割合... -
客観情勢の変化をとらえる
Y製作は規模こそ小さいものの、自社製品を持つ独立企業だ。昨年から三年間を見据えた計画を策定するようになり、毎年計画を一年ずつ更新している。今年、新たな三カ年計画を立てるにあたり、昨年度の実績が計画と比較・検証された。 ところが、売上は目標...