2023年– date –
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仕事への没入がもたらす「フロー体験」
学者たちの研究によれば、「フロー体験」という究極の〝仕事の面白さ〟があるという。それは、物事に熱中したときに得られる「深く、大きな喜び」である。時間を忘れて無我夢中で仕事に没頭するプロセスで、ウキウキワクワクするような精神的高揚感やえも... -
理性や論理では説明しにくい
世界「フロー」という言葉には、「流れに乗る」という意味がある。フロー体験は、チャレンジングな目標の達成プロセスで起きる「一瞬の体験」である。時間がたてば喜びは薄れ、モチベーションは元の状態に戻ってしまう。理想的には、こうした一瞬の体験を... -
リーダーによる「ひと引っ張り」
では、どうすれば、「はまった」とか、「虜になった」というフローを体験できるのだろうか。自力でフローに突入するのが理想の姿であるが、よほど達成動機の高い人でない限り、一人で実現するのは難しい。普通の人は他者の協力が必要だ。だから第2章では... -
ノルマ管理との違い
研修などで、「ひと引っ張り」の話をすると、決まって「それではノルマ管理と一緒じゃないか?」という疑問とも非難とも取れるような質問が飛んでくる。確かにそうだ。リーダーが「ともにハッピー」と「Y理論」のスタンスを身につけていなければ、ノルマ... -
会社と働く人々の「ともにハッピー」を追求する
なぜ、ノルマ管理が起きるのか。本質的な理由が2つある。1つは、経営陣やリーダーの持つ、「働く人々は業績向上の手段である」という割り切った考え方であり、かなりの歪みを持った思想である。確かに、人間は経営資源の1つであり、業績を上げるための... -
葛藤なしに修羅場行きを命ずるな
人間を別格資源と位置づけて、「ともにハッピー」を追求するというスタンス固めがないままに、リーダーが修羅場へのひと引っ張りを行えば、それはノルマ管理になってしまう。リーダーは、心を鬼にすることなく、当然のごとく、いとも簡単にメンバーの修羅... -
ノルマ管理につながる歪んだ人間観
MBOSがノルマ管理化する本質的な理由の2つ目は、リーダーの人間観である。ノルマ管理を志向するリーダーたちは、以下のような人間観を持っているのではなかろうか。大多数の人間は、本性的に、労働意欲に欠けている。成果を上げるための能力もかなり... -
X理論の問題点
X理論を信奉するリーダーは、メンバーの持つ潜在的可能性が信用できず、メンバーの「成長したい!」という気持ちも軽視しがちである。仕事に必要な意欲・能力・責任感は、オレをはじめとする一部のエリートだけのものであり、一般庶民には無縁である。そ... -
Y理論の人間観
松下幸之助は、Y理論の世界を「人間の本質は、磨けば輝くダイヤモンドの原石」(『人生心得帖』/松下幸之助/PHP研究所/1984年)と表現した。実にうまい、Y理論の言い換えだと思う。普通の人間は意欲・能力・責任感を潜在的に持ってはいるが、... -
MBOSとノルマ管理の違いは紙一重
Y理論のスタンスも、ともにハッピーの気持ちも、いずれも目に見えないところに存在するMBOSとノルマ管理との違いであり、表面的に眺めたのでは両者の識別は難しい。たとえ、外的動機づけに積極的であっても、リーダーがX理論の信奉者であったり、人...