Y理論のスタンスも、ともにハッピーの気持ちも、いずれも目に見えないところに存在するMBOSとノルマ管理との違いであり、表面的に眺めたのでは両者の識別は難しい。たとえ、外的動機づけに積極的であっても、リーダーがX理論の信奉者であったり、人間は別格資源という認識が薄かったりすれば、それはノルマ管理と言わざるを得ないマネジメントである。逆に、リーダーが心を鬼にして、「今が勝負のしどころだ。だから、怠け心は許さない」と修羅場へのひと引っ張りを仕掛けても、根底に、Y理論と、ともにハッピーのスタンスを持つならば、それは「MBOSの愚直な実践」を意味しており、ノルマ管理とは区分すべきものである。このように、MBOSは、会社とリーダーの心の持ち様で、本当のMBOSになったりノルマ管理になったりと変化する。両者の違いはその意味では「紙一重」。そう表現するのが妥当だろう。
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