企業が持つ商品や顧客、さらには営業所などを効果的に分析する方法として「ABC分析」があります。この手法は、売上構成比に基づいて商品や顧客をランク分けし、ビジネスの重点を見極めるために活用されます。
売上構成比に基づいたランク付け
ABC分析では、一定期間の売上高を多い順に並べ、総売上高に占める割合でランクを分けます。具体的には以下のように区分します。
- Aランク: 総売上高の上位80%を占める商品や顧客
- Bランク: 総売上高の80%~95%を占める商品や顧客
- Cランク: 総売上高の95%~100%を占める商品や顧客
例えば、ある企業で5つの商品(A商品~E商品)が総売上高の80%を占める場合、これらの商品は「Aランク」となります。この中でも特に重要で、企業の生命線ともいえる商品については「AAランク」として扱うことも可能です。
さらに、企業の状況や戦略に応じて、ランク基準を柔軟に変更することもできます。例えば、現在は売上シェアが低くても将来的に主力商品として成長が期待される商品や、最近急成長している商品を「Sランク」として特別な位置づけをすることも一案です。
重点主義の本質は「優先順位」
ABC分析の目的は、重点を置くべき対象を明確にし、それに応じた戦略を立てることにあります。この考え方を「重点主義」と呼びますが、その本質は「優先順位をつけること」に他なりません。
優先順位を明確にすることで、各ランクに応じた販売方針や方法を調整することが可能になります。例えば、Aランクの商品や顧客には重点的な資源やサポートを投入し、Cランクの商品にはコストを抑えた運営を行う、といった具体的な施策につなげることができます。
ABC分析を活用した戦略構築のすすめ
ABC分析を通じて、売上における重要度が明確になります。これに基づき、ランクごとの販売方針や戦略を策定することで、リソースを効率的に活用し、成果を最大化することが可能です。
まとめ
自社の現状をしっかりと把握するためにも、まずは売上データを基にしたABC分析表を作成してみましょう。そこから見えてくる課題や強みに基づき、次の一手を考えることが重要です。
■3ランクに分けて売上構成比を見る
ABC分析とは、あなたの会社の商品、あなたの会社のお客様、あなたの会社の部門(営業所)において、ある一定期間内の売上高の多い順に並べ、総売上高に占める割合(売上構成比)が80%までをAランク、80%〜95%をBランク、95%〜100%をCランクとすることです。
次ページに例としてA社のABC分析表(商品別)を示しますので、あなたの会社も作成してみてください。
A商品〜E商品の5商品で総売上高の80%を占めていることとなり、この5商品がAランクとします。
このAランクの中で、特に会社の生命線である商品がある場合はAAランクにしてもいいでしょう。
また、それぞれの会社の事情によって、Aランクを、総売上構成比の70%としてもいいですし、現在は主力商品ではないが、将来の会社の主力商品として望まれる商品とか、ここ数年来、急激に売上を伸ばしている商品を、Sランクとするのもいいでしょう。
■重点主義とは「優先順位」主義
重点主義により格付け(ランク付け)をし、それぞれに方針を決定します。
重点主義とは、優先順位主義と理解しておきましょう。優先順位をつけて販売方針・方法を変えることを意味します。
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