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(5)中期経営計画策定を成功させるための要素

この記事でわかること
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(5)中期経営計画策定を成功させるための要素

中期経営計画を策定すること自体にある程度の時間と労力が必要となります。

このため、この策定作業を成功させるためには、図表0-7に示すようにいくつかの要素を揃える必要があります。

  • 1つ目は「トップのコミットメント」です。
  • 参加メンバーの顔ぶれとやる気
  • 立案フレームワークと進め方
  • 各パートで求められる要素スキル
  • 全体のコーディネーション

トップのコミットメント

1つ目は「トップのコミットメント」です。

会社や組織を大きく変えていこうとする場合、経営者や組織のトップが本腰を入れて取り組む必要があります。

「経営企画にお任せ」というような策定方法ではなく、トップ自らがビジョン・目標設定や戦略立案に主体的に関わらなければなりません。

参加メンバーの顔ぶれとやる気

2つ目は「参加メンバーの顔ぶれとやる気」です。

時に策定プロジェクトに仕事が暇な人があてがわれることがありますが、まったくもって論外です。

仮に彼らが選ばれた場合、プロジェクトミーティングで彼らが問題として取り上げるのは職場や上司の不満ばかりです。

当然プロジェクトの雰囲気は悪くなり、将来を語るどころではなくなってしまいます。

仕事はできる人に集まる傾向があります。

ですから、できる人ほど策定プロジェクトに関わり、この会社をどうしたらいいのか、またどのようなことに取り組んだらいいのかについて積極的に発言してもらうべきです。

一方で、せっかく実力のある人たちに集まってもらっても、「検討するだけ」とか「提言しても取り入れられない可能性がある」といったことがあると、負担感ばかりが増し、やる気が出なくなってしまいます。

このため、実力のあるメンバーによる真剣な議論の結果が取り入れられるようにする必要があります。

また、社内にうるさ型の古手の役員がいるケースがありますが、そういう人を疎んじていると、最後の方でちゃぶ台返しを食らう可能性があります。

途中段階で意見を聞くなどをしておいた方がよいでしょう。

立案フレームワークと進め方

3つ目は「立案フレームワークと進め方」です。

中期経営計画は通常3カ月から半年ぐらいで作り上げます。

短いようですが途中いろいろな工程がありますので、しっかりした行程表なしに検討を進めると、途中で道に迷って検討がはかどらなくなり、プロジェクトメンバーも業務多忙を理由に参加しなくなります。

ですから最初からしっかりしたフレームワーク(枠組み)に基づいて検討を進められるよう、本書で紹介するフレームワークを参考に、自社に合った手順を決めて進めてもらえればと思います。

各パートで求められる要素スキル

4つ目は「各パートで求められる要素スキル」を揃えておく必要があるということです。

本書で紹介する「ビジョン・戦略立案フレームワーク」では、図0-8に示すように①ビジネス環境分析、②ビジョン設定、③戦略策定、④活動・計数計画具体化の4つのパートがありますが、それぞれのパートで求められる知識や要素スキルは異なってきます。

その場になってからでは間に合いませんので、あらかじめこれらの知識や要素スキルを学んで身につけておく必要があります。

全体のコーディネーション

5つ目は「全体のコーディネーション」です。前出の4つのパートは、会社によって順番が異なる場合があります。

自社に適した順番で順序よく進めていくには、ステップバイステップでやり方を決めていくのではなく、あらかじめ最初から最後までの行程を決めて取り組む必要があります。

そうでないと、途中で難しい局面になった時にプロジェクト内で意見が分かれたり、最悪の場合、頓挫することにもつながりかねません。

これら5つの要素がすべて揃うことで、中期経営計画の策定というプロセスを成功させることができます。マンガのストーリーでは、2つの異なるタイプの会社がそれぞれ違った進め方をしていきます。

それぞれの進め方で難しい点や留意点などを紹介していきますので、自社で進める際の参考にしてください。

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