(4)中期経営計画に求められる10大目次
今述べた中期経営計画の3大要素をドキュメントとして整備し、発表しようとすると、図表0-6に示すような10大目次となります。
スタッフに余裕がある大企業では、これらの目次を揃えて対外発表するところも見受けられます。一通り見ていきましょう。
1番目は「前中期経営計画の振り返り」です。
2番目は「経営ビジョン関連テーマ」
3番目は「業績向上関連テーマ」
4番目は「事業戦略関連テーマ」
5番目は「顧客価値・ブランド向上関連テーマ」
6番目は「財務構造改革関連テーマ」
7番目は「投資関連テーマ」
8番目は「組織戦略関連テーマ」
9番目は「機能別戦略関連テーマ」
最後は「CSR関連テーマ」
「前中期経営計画の振り返り」
1番目は「前中期経営計画の振り返り」です。
コーポレート・ガバナンス・コードでも求められているように、新しい中期経営計画を立案する前に、それ以前の計画がどうであったのか、所期の成果が得られたのか、やるべきことがやれたのか、できなかったことは何か、なぜそうだったのか、今後何が課題となるのか等を整理して振り返っておく必要があります。
うまく取り組めなかったことはその会社の「弱み」でもある可能性もありますので、そういう点が見つかったら、その弱みを克服できるような課題設定と取り組みを行うよう次期中期経営計画に反映させるべきです。
経営ビジョン関連テーマ
2番目は「経営ビジョン関連テーマ」で、先に述べた3大要素のうちの定性目標部分となります。
業績向上関連テーマ
3番目は「業績向上関連テーマ」、つまり経営目標と定量目標を打ち出すことです。
事業戦略関連テーマ
4番目は「事業戦略関連テーマ」です。
経営ビジョンや経営目標を達成するために事業別にどのような戦略を講じるのか、具体策は何なのかを論じます。
顧客価値・ブランド向上関連テーマ
5番目は「顧客価値・ブランド向上関連テーマ」です。
B2B・B2Cに関係なく、どのように顧客にとっての価値を高め、社名や商品名といったブランド認知度やイメージを高めていくのかを明確化します。
財務構造改革関連テーマ
6番目は「財務構造改革関連テーマ」です。
有利子負債の圧縮や投資資金の確保方法等財務的な課題・取り組みを論じます。
投資関連テーマ
7番目は「投資関連テーマ」です。
事業戦略と関連づけて、どのような事業や分野にどのような投資を行うのかを明確化します。
組織戦略関連テーマ
8番目は「組織戦略関連テーマ」です。
組織構造や組織運営方法をどのように変えていくのかということを論じます。
機能別戦略関連テーマ
9番目は「機能別戦略関連テーマ」です。
営業や開発・生産・管理などの機能別組織ごとの戦略を打ち出します。
CSR関連テーマ
最後は「CSR関連テーマ」です。
環境問題、コンプライアンス対応、セキュリティ強化などのテーマがありますが、企業によっては、CSRレポートなどで代替するケースが見受けられます。
これら10大目次はすべて揃っていなければならないということではなく、業種や企業規模、あるいは時宜に応じて加えたり割愛したりすることができます。
基本的には3大要素が最低限揃っている必要があります。
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