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頭の中は評価のことばかり

頭の中は評価のことばかりこうした評価システムは、必然的に、評価のための目標設定を働く人々に要求する。たとえば、ある会社の人事評価の手引書には以下のように書いてある。・目標は必ず数値化すること。・期初に設定した目標の難易度と期末の達成度との積算で貢献ポイントを算出する。・貢献ポイントの多寡によって、貢献度の順位づけを決定する。

・目標の難易度の決定に際しては、目標の量的・質的難易度、難易度の資格間適合度、部門間でのレベル比較などを十分に検討し、部下との合意を得ること。このような人事部方針にもとづいて、現場では上司と部下との目標設定面接が実施され、当事者が心から達成したいと願う目標の検討などは脇に置き、人事評価を正当化するための個人目標が検討される。たとえば、数値化しやすい項目を探し出し、それを目標に設定するなどである。個々の目標には難易度も張り付ける。期末には達成度を機械的に測定し、そのポイントによって貢献度が決まる。そんな無機質なやり方では、部下のヤル気に火はつかない。そうわかっていても、年中行事のように延々と繰り返す。そして、「それがMBOSだ」と上司も部下も思い込む。これはもう、評価システムとしての目標管理以外の何物でもない。そこには、次章以降で解説するMBOSの精神が欠けている。表看板には「MBOSの実践」をうたっていても、実際には「MBOSという名の人事評価」をやっているのである。

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