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鉄則29負けて悔しくなくなったら、社長の辞め時。

◆「意地でも取り返す」気概がなければ社長は務まらない「社長の辞め時」に、いろいろな考え方や事情があります。一つ言えるのは、負けて悔しくなくなったら、社長の座は退くべきです。私が社長を続けているのは、未だに、負けるのが絶対に許せないからです。その思いは三〇年前に社長になった時から少しも変わっていません。一件でもライバルにお客を奪われたなら、意地でも取り返します。一万円の契約を取り返すのに一〇万円かけて取り返す。その気概がなければ社長は務まりません。気持ちが誰にも負けないから、私は社長を続けている。社長に限らず、部長や課長など、管理職となる人は同じ基準で配属します。ライバルに負けてヘラヘラしては、管理職は務まりません。スポーツでも、ビジネスでも「負けて悔しい」と思えない人は絶対に勝てないです。社員全員がこのタイプではダメです。これが組織のおもしろいところで、一般社員と少数の管理職には「負けてヘラヘラしている人」が必要です。このあたりの使い分け、バランスを考えるのも社長の仕事。いずれにしても、「負けて悔しい」思いを社長自身が失ったら、それは一つの「辞め時」です。◆古参の幹部には「息子の家来になってくれ」と言う自分が会社を退くときは、一つの時代が終わるときで、賢い社長は後継者(息子や娘)が権限を発揮しやすいように、古参の幹部に退職金を払って一緒に引き連れて辞めていきます。あるいは、古参のナンバー2と幹部に「これからは息子の家来になってくれ」としっかり言い含める。自分の息子(娘)がどんなに無能でも、社長になる限りは、ナンバー2以下すべての幹部は家来になってもらう。この「殿様と家来」の関係が崩れたら、組織はガタガタになります。そのことを幹部にきちんと伝えるのも、先代社長の大事な仕事です。◆社長としてタイプが違うのだから「同じこと」を期待しないそしてもう一つ、先代社長が「自分の息子に過度な期待をしすぎない」ことも大切です。創業者として修羅場をくぐり抜けてきて、何でも強引に、ガンガン推し進めることができた。端的に言えば、豪腕を振るってきた。

しかし、息子はタイプが違います。『蛙の子は蛙』とはいえ、タイプは同じではないです。苦しい時代を裸一貫で生き抜いてきた親と、後継者としてぬくぬくと育ってきた子どもでは、タイプも、能力も、個性も違うに決まっている。その違いを理解せず、なんでもかんでも「自分と同じようにやれ!」「もっと経営者らしくしろ!」と言うのは無茶な話。どんな社長もオールマイティではないから、強引に推し進めるのが得意な人もいれば、決められたことを守り、計画遂行が得意な人もいます。大きな情熱で仕事をする人もいれば、冷静で、ときに冷徹に仕事ができるタイプもいます。結局は、個性の違いを活かしていくしかない。私は先代社長には「自分と同じことを子どもにさせるのは無理だよ」と繰り返し伝えます。一方の後継者には「親と同じことをするのはダメだ。持っている血は同じでも体験が違うんだから」と話をする。血やDNAは、たいてい父親の特性は娘が受け継ぎ、母親の特性は息子が受け継いでいるように感じてます。だから、創業者の父と息子のタイプが異なるケースが多いです。私は、違いを理解しているので、創業者(父親)と後継者で指導のやり方を完璧に変えています。タイプが違う人に同じことを教えて、同じやり方をさせるなんて、そもそも無茶な話です。

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