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鉄則28社員教育が未熟な会社は、「トップダウン」が正しい。

◆ボトムアップは難易度が高い経営方針経営陣主導のトップダウン経営と、現場第一主義のボトムアップ経営のどちらが正しいのか。多くの経営者が悩むが、そんな議論はそもそも意味がありません。なぜなら、社員教育をしっかりやって価値観が揃っている会社ならボトムアップ経営ができるが、社員教育していないなら、トップダウンが正しいからです。ところが、若い後継者ほど「自分はボトムアップ経営をやりたい」と言い出すものです。なぜ、そんなことを言い出すかと言えば、理由は明確。自分の親(先代社長)の悪いところばかりを見てきたからです。創業者はトップダウンで会社を成長させてます。すべてを自分で判断して、「こうやれ、ああやれ」と部下に指示を出す。その際に「こういうことが大事だから」とか「こういう意図があるから」なんて話はいちいちしません。なにより、スピードが大事です。部下は、指示の意味とか、意図は関係なく、とにかく早く実行して結果を出す。その指示が間違っていれば、業績はすぐに悪くなるから、社長は即座に方針を変え、次の指示を出していく。そうやって中小企業は事業を軌道に乗せ、成長しています。しかし、経験の浅い後継者は経営の根本がわからないから、親の経営が古くさく、強引に見えています。欠点ばかり見て「自分だったら、もっと部下を信用して、部下に判断を委ねる」「部下の考え方も尊重したボトムアップ経営をしたい」と思います。ある意味当然です。真っ白な紙に「×印」が一つあったら、誰だってその「×の部分」に目がいきます。紙の「白い部分」に着目する人はいません。それがまともな人間です。だから、父親の経営を見続けている後継者は、父親の「×印」(よくない点)ばかりに目がいきます。◆若い後継者ほど「自分のやり方」にこだわる社員教育をしないで社員の価値観が揃っていない状況で「ボトムアップ経営」を言い出しても、うまくいくわけがありません。社員が好き勝手なことを言い出して、会社がガタガタになるだけです。意思決定も遅くなり、業績が下がることは目に見えています。そういう段階にある会社はトップダウンが正しいです。トップダウン経営をしながら、コツコツと社員教育を続け、価値観が揃ってきた先でしか、ボトムアップ経営は機能しません。経営サポート会員も、まったく同じです。経営計画書は武蔵野の三六期の経営計画の方針を真似て作る指導をしています。なぜなら、三六期までは小山昇の超トップダウン経営で、二〇〇四年からボトムアップ経営に舵を切ったから。ところが、若い後継者ほど「自分なりのやり方」をして「イメージする会社」を作りたいと思います。「あなたの実力なら、武蔵野の三六期の経営計画書を真似て作りなさい」と言っても、「オリジナルの事業計画書を作りたい」と言う。そういう若い後継社長に、まず私はこう聞きます。小山「今、会社は利益が出ていますか?」若い後継社長「いえ、出ていません」小山「つまり、あなたのオリジナルのやり方で利益は出ないですよね。それなのに、どうして赤字になる経営計画書を作りたいんですか。経営サポートに入った目的は、赤字の会社を作るためですか。それとも、私の指導を受けて、利益を出すためですか?」若い後継社長「もちろん、利益を出したいです」小山「じゃあ、赤字が出る経営計画書と、黒字を出すための経営計画書のどちらを作りますか?」そこまで言わなければ、わからない後継者がいる。経営経験がまったくない無責任なコンサルタントが「この時代、大事なのはボトムアップ経営ですよ」「トップダウンなんて流行りませんよ」と言って、ボトムアップ経営でうまくいっている会社の例を紹介するから、若い後継社長が騙されます。そもそも「どちらがよい・悪い」の問題ではありません。ボトムアップ経営をやりたいなら、トップダウン経営をやりながら、地道に社員教育を続けるしかありません。社長がその大前提を理解しないと、会社はどんどんダメになる。

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