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鉄則26若手を辞めさせたくないなら、毎年新卒採用する。

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◆「業績が悪いから新卒採用しない」のは愚の骨頂

新卒採用について一つ大事なことがあります。それは「毎年採用する」ことです。

中小企業は、業績がいいときは七名採用して、業績の悪い年は一人も採らない。それで三年後にまた三人採る、このような採用をやるところがある。

しかし、これは最悪の採用。そんなことをするから、採用した社員が辞めていく。考えてみてください。

中学の野球部で上級生に一年生がしごかれてます。でも、一年生はその厳しいしごきに耐えて、がんばる。

なぜ、がんばれるのでしょうか。それは来年には新入生が入って、自分がしごく立場になるからです。そして、三年生は卒業していなくなる。それがわかっている。それが人間の心理です。

会社もまったく同じ。

いつまでも自分が一番下では、誰だってつらいです。

自分が一番下のときは「オマエは何もわかってないな」と先輩や上司に言われるが、その時期を一年過ごせば、また右も左もわからない新入社員が入ってくる。

この循環があるから、人はがんばれる。

◆「異動なしで、いつまでもその関係が続く」のが一番つらい

学校教育では「中・高一貫校」がけっこうありますが、はっきり言って、あれも悪習の一つです。下級生の時代を何とか乗り越え、やっと三年生になったのに、まだ先輩が学校にいるなんて最悪です。

五年も、六年も、上級生が居続けるなんて、まともな人間なら耐えられません。会社組織も同じで、いつまでも嫌な上司の下で耐えられる人などいません。会社に入るのは条件、辞めるのは常に人間関係です。

人間関係のいざこざなんて、どこにだって起こる。問題は「同じ上下関係がいつまでも続く」ことです。考えてみれば当然でしょう。

いつまでも嫌いな上司の下にいなければならないとしたら、自分が辞めるか、どこかで上司を突き落とすか、そのくらいしか選択肢がなくなります。

そうやって人は追い詰められていくのです。だから武蔵野は、同じ部署で課長の任期は三年と決まっています。どんなに嫌な上司も、三年すれば別の部署へ行ってしまう。

社員にいろんな部署を経験させるから、三年以内に異動する可能性は大です。こうした流動的な状況があり、ルールとして決まっているから、部下は我慢できる。

それが社員の心理です。お墓にある水は腐ってボウフラが湧きますが、川の水が腐ることはありません。それは流れているからです。人も、組織も同じです。

固定して、動きがなくなったら、途端に腐ってくる。

◆人を動かさない方が楽だから、社長は動かしたがらない

往々にして、社長はなかなか人を動かしたがらないです。業績が好調のときは、余計に動かしたくないです。理由ははっきりしています。その方が楽だからです。

人が固定された状態で、業績が好調なら、そのままにしておいた方が楽です。当たり前の話です。

しかし、そんな状況は、人も組織も成長させません。

同じ部署で、同じ仕事をしていれば、短期的には同じ業績は上げられます。社長も、社員も、みんな楽です。慣れた仕事をずっとやっていればいいからです。

世の中・お客様・ライバルがどんどん変化する中で、人や組織が成長しなければ、いずれは取り残されます。

武蔵野の業績がなぜ右肩上がりで、社員の給料も上がり続けるか。

変化とは、人を変えることです。人を変えるから組織が成長する。

その成長にとって不可欠なのが「どんどん人が動く」ことです。人が動けば、新しいことを覚えなければならない。

新しい人間関係を築かなければ、異動した方も、異動させた方もたいへんです。ダスキン事業部から経営サポート事業部への異動はもはや転職です。

全てがゼロからのスタートです。勉強したくない社員も、商品の単語から覚えないと仕事ができない。楽ができない。社長が楽な方を選んでいる限り、成長はありません。

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