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鉄則12上司と部下の飲み会には、会社が金を出す。

◆社長が自分一人でお金を使うな社長が「会社のお金で飲みに行く」ケースがある。それが悪いとは言いません。社長がお姉ちゃんのいる店に会社のお金で飲みに行くのに、ナンバー2が部下と飲みに行くのは自腹では、話が通りません。これは本当によくある話です。お姉ちゃんのいる店でなくても、社長が会社のお金を使って他社の社長としょっちゅう飲みに行くのに、社員とはまったく飲みに行かない。そんな社長が多いです。社長なら、自分のためにだけお金を使うのではなく、もっと部下に使わなければならない。さらに言うなら、「ナンバー2が部下を連れて飲みに行く」「上司が部下を連れて飲みに行く」場合にも、金額や回数を決めて、会社が出してやればいい。上司は、仕事のことだけでなく、部下のプライベートも含めて悩みを聞いてやらなければなりません。そういう機会には居酒屋で一対一で飲むに限ります。そのお金を会社が出すのは、じつに自然な話です。我が社の懇親会費用は年間二五〇〇万円です。経理の勘定科目は福利厚生費ですが、私は教育研修費の認識です。仕事の話に留らず、礼儀作法・恋愛・家庭生活と幅広く指導するので、定着率は抜群です。◆「上司と部下がサシで飲む会」の飲み代を会社が負担する当然、武蔵野は「上司と部下が飲みに行く」ときのルールがしっかり決まっています。まず、「今日、行くぞ」と突然飲みに行くのはダメです。完全プライベートで飲みに行くのは自由ですが、会社のお金で飲む場合には「○月△日に飲みに行く」と計画をしっかり決めて、提出しなければ認められません。これは大事なことで、部下は「今日、飲みに行くぞ」と上司に言われたら、なかなか断れないものです。気が弱い部下は「はい」と返事をしておきながら、じつはその日は子どもの誕生日で、それをすっぽかして家族の信頼を失うことがある。そんな問題が起こらないように、支払の稟議を上げる時に、次回以降の日程を決めて、計画を提出する。そうしないと稟議が通らないしくみになっています。また、部署毎で飲みに行ったら、懇親会報告書を経理に出さなければなりません。しかし、細かな話の内容は「一対一の飲みの席」だから話せることもあるでしょうし、お互い酒が入っていて、そもそも覚えていません。だから、内容は書いても書かなくても良く、領収書と写真を添えて出す。これがルールです。さらに、上司は「同じ部下を二ヶ月連続で連れて行ってはいけない」と決まっていま

す。自腹で行く分には、誰と何回飲みに行こうが自由ですが、会社のお金で飲みに行く場合は、平等に飲みに行くことが原則。そこは「順番に飲みに行け」です。部下が一人しかいない場合は「上司との飲み会は三ヶ月に一度」と決めています。部下は、上司とのサシ飲みを毎月やっていたら、身が持ちません。そこのところを考慮して「三ヶ月に一度」となっている。こうやって一つ一つ決めれば、嫌でも上司は部下を連れて飲みに行きます。基本的に二次会は禁止です。二次会が認められている懇親会も明示してある。このルール化が何より大事です。上司と一対一で飲みに行けば、普段会社ではできない話もしますし、お互いのことを理解することもできます。それで何か不都合なことがあれば、その都度ルールを変えればいいです。◆「ジェネレーションギャップを埋める飲み会」を実施さらに、武蔵野では『夢の共有』と名付けられた「ジェネレーションギャップを埋める飲み会」制度もあります。部署はまったく関係なく、まず右側には部長からズラッと職責順に、そして左側には、平社員を立場が上の人間から順に並べます。この二つのリストで「職責の高い人」と「平社員」を互い違いに組ませて二人で飲みに行くしくみです。ここでのポイントは「五〇代と二〇代が飲みに行く」と年齢差が生まれたり、「まったく違う部署の先輩・後輩と飲みに行く」ことが実践される。年齢差のある人同士(そして、関係ない部署の人同士)が飲みに行くと、ごく自然に仕事の悩みが相談できたり、自分が若い頃の会社のことなどを話す機会が生まれます。直接の上司から聞くより、これが案外、すんなりと聞けるなのです。そもそも、ジェネレーションギャップを常に感じていると人間は耐えられませんが、たまにだと心地いいものです。特に上司の元上司や上司の同僚の話は絶対に聞けない話が飛び出てくるから満足度は大きいです。これは海外旅行とまったく同じで、文化や風習の違う地域へ行くと、その違いがけっこう楽しいものです。しかし、そこで二年間暮らせと言われたら、ストレスになる。人間とはそういうものです。『夢の共有』も、そんな人間心理に即している。毎週となったら苦痛ですが、年に二回ならお互いけっこう楽しいもの。その席で思わぬ本音や家庭で抱える悩みなど、普段は話しにくいことを話し合えます。世代間のギャップが生じている会社にとっては、とてもいい方法だと思います。しかし、これも「ルールとして決まっている」ことなくして、絶対に実現しません。ここまで徹底するから、しくみが活きてくる。飲み代は会社持ち。こういうところをヘタにケチると、しくみがうまく機能しません。限られたお金をどこに使うか。こういうところにも社長の手腕が現れる。

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