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鉄則02社長の「なんとなく好き」で、人を選ぶ。

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◆社長とナンバー2が「補完関係」なんてダメ!

「社長が激情型なら、ナンバー2は冷静な人がいい」「二人の補完関係が会社をよくする」こんなことを言う人がときどきいますが、それは大嘘です。

社長とナンバー2の関係において、一番大事なのは価値観が一致していること。

武蔵野のナンバー2・矢島茂人専務は入社前、一倉定先生と先生の長男一倉洋先生に学んでいた。私も一倉定先生に学んでいたので、根っこが同じです。

「何がいいと思うか」「何をおもしろいと思うか」「何に腹を立てるか」など、根本的な価値観が揃っていることが一番大事です。

価値観が合わない人がナンバー2をやると、その下の社員は大迷惑を被ります。

トップとナンバー2の向いている方向が違ったら、何を信じて、どこに向かえばいいのか、まったくわからなくなるからです。ここまでは大前提です。

ナンバー2を選ぶ際、次に大事にすべきは「なんとなく好き」です。

この「ファジー(あいまい)さ」が大事です。

これを言うと、また「小山社長はなんとなく好きな人をナンバー2にするんですか?」と驚かれるが、「当然でしょう」と私は答えます。

そもそも、人は「好きだ、嫌いだ」に明確な理由などありません。

「好きな色は何か?」と問われて「緑です」と答えた人に、「それはどうして?」「どんな根拠で?」と尋ねてみても、決定的な理由など返ってきません。

なぜなら、「なんとなく好き」だからです。恋愛だって同じ。好きな異性ができて「あの人のどこが好きなの?」と尋ねた際、「優しいところ」「イケメンなところ」などあれこれ理由を言う人もいますが、本当のところは感覚的に「なんとなく好き」です。

理由なんて、後で無理矢理こじつけたものです。

ナンバー2に対しても、この思いは大切です。中小企業は「優秀だから」「社員の信頼を得ているから」などの理由でナンバー2を選んでも、社長自身が「なんとなく好きじゃない」相手だったらうまくいくはずがありません。

それが人間心理ですし、人間心理を無視して経営なんてできません。だから、「なんとなく好き」「なんとなく安心できる」という相手が、とても重要です。

◆「自分と似ている相手」でなければ安心できない

では、人はどんな相手を「なんとなく好き」だと思うのでしょうか。それは「自分と似たところを持っている人」です。

夫婦や恋人、親友でも、長く一緒にいられる相手は、どこか自分と似ているものです。

常務の滝石洋子とは、生い立ちが似ています。このことに気付いたのは一五年も経ってからです。自分とは違う部分に惹かれる要素はもちろんありますが、「なんとなく好き」「一緒にいると安心できる」の思いが芽生えるのはやはり自分と似ているからです。

共通項がまるでない相手と一緒にいても、安心できないものです。だから長年連れ添っている夫婦は、キャラクターがまるで違っても、いつの間にか思考パターンや行動スタイルが似てきて、安定した関係を築いている。

ナンバー2を選ぶ場合もまったく同じで、「自分が激情型だから、冷静な人を選ぼう」なんてことは考えず、自分と似た人を選べばいいです。

そうすれば、職場の居心地がよくなります。

社長、ナンバー2、社員も居心地のいい職場の方が力を発揮するでしょう。

至極当然の話です。

すでに述べた通り、武蔵野で「レベルに差がある人」はそもそも採用しませんし、価値観が一緒で、なんとなく好きな人を採用します。

つまり会社に、なんとなく似ていて、気が合う人たちが集まっている。

当然居心地がよくなるから、ここ九年間、課長職以上の人の退職者はゼロ。社員二二二名のうち、上位一〇〇名の退職者がゼロです。

さらに、社員の六〇パーセントが社内結婚か、社内でつき合っています。

社員同士の離婚も一〇年間ゼロ。はっきり言って、超異常な会社です。それで社員にとって居心地がよく、働きやすくて、業績が右肩上がりです。

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