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足跡なき者の道:勝ちを求めぬ者こそが勝利する


目次

📖 引用原文(日本語訳)

第一四章 ブッダ 一七九
ブッダの勝利は敗れることがない。
この世においては何人も、かれの勝利には達し得ない。
ブッダの境地はひろくて涯しがない。
足跡をもたない*かれを、いかなる道によって誘い得るであろうか?

※「足跡をもたない」とは、欲望や煩悩の足跡を残さないという意。


🧩 逐語訳

  • ブッダの勝利は、誰にも敗れず、壊されることがない。
  • この世において、いかなる人も、その勝利に並ぶことはできない。
  • ブッダの境地(涅槃)は、無限であり、計り知れない。
  • 欲望や執着の「足跡」を完全に消し去った者を、どうやって引き戻せるというのか?

🧘 用語解説

  • ブッダ(Buddha):目覚めた者。悟りに至った存在。仏陀。
  • 勝利(jaya):ここでは敵との競争的な勝利ではなく、「自己への克服」「煩悩の克服」「悟りの成就」としての勝利を指す。
  • 足跡をもたない者:煩悩・執着・欲望といった心の痕跡を残さずに生きる者。行動の結果に執着しない。
  • 誘い得る道:他人を道に引き戻したり、転ばせたりする方法。だが悟りを得た者にはそのような「引き戻す手段」が通じない。

🔎 全体の現代語訳(まとめ)

ブッダが得た悟りの勝利は、誰にも破られることのない、絶対的な内なる征服である。その境地はあまりにも深遠で、誰も到達することができない。しかもブッダは、煩悩という心の「足跡」を一切残さないため、何者もその心を引き戻すことができない。この偈は、究極の自由と真の勝利を手にした者の在り方を示している。


💡 解釈と現代的意義

現代社会では「勝つこと」がしばしば評価の基準となるが、この偈が説く「勝利」は外的な競争や成果ではなく、自分の欲・怒り・無知を超えた内的勝利である。真の勝者とは、他人と争う者ではなく、自分自身の煩悩や執着を超えた者である。

このような人物には、世俗的な称賛も批判も届かず、社会の流れに巻き込まれることもない。完全な自由とは、他者に誘導されない心を持つことに他ならない。


💼 ビジネスにおける解釈と適用

観点解釈・適用例
✅ 競争との向き合い方他者との競争ではなく、「自分の弱さ」「欲望」「不安」を克服することに集中する。
✅ リーダーシップ成果や外部評価に執着せず、本質を見極めて淡々と行動する人物は、組織に安定をもたらす。
✅ 判断力他人に惑わされず、自分の「内なるコンパス」に従って行動できる人は、誤誘導されにくい。
✅ 自律性外界の変動や批判・賞賛に一喜一憂せず、足跡を残さぬよう静かに結果を出す姿勢がプロフェッショナル。

✍️ 心得まとめ

「真の勝者とは、自らの内面に勝利した者である。」
欲望も名声も栄誉も、もはや彼を動かすことはできない。
「足跡なき者」とは、どこにも執着せず、誰からも誘導されない自由な魂である。
ビジネスにおいても、競争に巻き込まれず、内面的な静けさをもって歩む者は、強く、そして尊い。

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