MENU

自分で決めた目標だが……

小さなPDSをきちんと回し切れるかどうか。それがDoにおける最大の押さえどころであるが、それを可能にするのはメンバーのヤル気である。ヤル気は意欲と責任感との集合体と考える。意欲は「目標に対する興味や関心(目標の魅力)と納得感」、「仕事の面白さや自己成長の手応え」、あるいは「報酬の魅力」などがもたらす目標達成への思いであり、責任感は「自分に課せられた役割をまっとうしようとする決意」である。メンバーは、年度目標の設定段階で納得感と責任感を醸成し、ある程度のヤル気を持ってDoの場面に臨んでいる。それは確かであるが、それだけで、メンバーが自走するとは限らない。チャレンジ目標そのものにエクスタシーを感じるような達成動機の高い人は別として、多くの人たちは達成活動の苦しさや辛さゆえに、活動途中で失速しがちである。たとえば、「新規顧客の獲得に向け、1日10件以上、見込み客を訪問する」という目標達成手段を立案した。この種の手段は、アタリマエの実践であり、いかに飽きず、休まず、やり切るか、その工夫と努力に実践の成否がかかっている。ところが、アタリマエを当たり前にやり切ることほど難しいものはない。見込み客にいくら電話をしても、アポが取れずに苦悩する。懇切丁寧な商品説明をしたにもかかわらず、お客様から袖にされ、思わず不快な顔をする。その態度にクレームが付き、こっぴどく叱られる。ガックリ肩を落として会社に戻る。そんな出来事が3日も続けば、せっかく盛り上げたヤル気も、シャボン玉がはじけるように一挙にしぼんでしまう。それが、普通の人間が抱えている弱さではないか。そんなとき、「お前が決めた目標だから、やり切れよ!」と叱責しても始まらない。リーダーがやるべきことは、メンバーのヤル気の喚起策である。それを「動機づけ」と呼ぶ。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次