職場の成果は、期初に設定した目標だけとは限らない。他にも成果があるかもしれない。そういう切り口で、自分たちの仕事を振り返ることも必要だ。それはメンバーのモチベーションのみならず、職場の存在価値の他部署へのアピール材料づくりとしても必要な行為である。その際の着眼点の1つは、職場目標の副次的効果に着目することだ。たとえば、以下のような事例がある。ある食品会社で、北海道を担当する営業部隊の人たちが、縮小するマーケットに何とか歯止めを掛けて、売上目標を達成する方法はないものかと真剣に考えた。みんなで知恵を出し合い、試行錯誤の末に地域限定の新商品の開発に成功した。その苦労話と売れ行きが社内報に掲載され、「北海道であんなに頑張っているのだから、おれたちも……」と多くの人たちが刺激を受けて発奮した。これは売上目標の達成に付随した副次的効果であり、職場の仕事の成果である。もう1つの着眼点は、職場の貢献領域一覧表の中で、目標に設定しなかった業務に関する遂行結果である。貢献領域一覧表にリストアップした項目は、きちんとやり切って当たり前の仕事であるが、それらの中でも、部門経営や会社全体に顕著な貢献ありと認められるものは、職場の成果に追加する。もちろん、その要因の分析も行う。
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