金融機関と信頼関係を築くうえで、経営計画書は単なる書類以上の価値を持っています。それは、自社の経営状況を透明に示すツールであり、融資担当者や銀行の審査部に自社の信用力を伝えるための強力な手段です。
本章では、経営計画書の共有が銀行との関係にどのような影響を与えるのか、またその活用方法について詳しく解説します。
経営計画書の共有
経営計画書は、金融機関にとっても重要な情報源です。社長が銀行を訪問する際には、同行する社員が毎月の実績を読み上げ、その数字を経営計画書に記入してもらいます。
これにより、業績が良い時も悪い時も、会社の情報をオープンにする姿勢を示すことができます。
銀行内部での信用力向上
銀行の融資担当者が本店に稟議をあげる際、経営計画書のコピーは本店の審査部にも提出されます。この時、融資担当者が直接記入した数字が入った経営計画書は、自社で作成したエクセルデータよりも信頼性が高く評価される傾向があります。
銀行担当者を引き込む仕掛け
経営計画書には、支払利子年計表などの情報も含まれています。この年計表を通じて、自社が年間でどれほどの利子を支払っているかを明示します。
たとえば、年間で2700万円という額は、中小企業としては大きな金額です。この情報は銀行にとって魅力的であり、融資を検討するモチベーションを高めます。
さらに、メインバンクになることで得られるメリットも強調できます。社員の給与振込口座が移行されると、銀行は手数料収入を得られ、住宅ローンなどの関連取引にもつながる可能性が高まります。
まとめ
経営計画書は、銀行との信頼関係を築き、融資を引き出すための重要なツールです。数字の透明性と社員との連携を示すことで、金融機関に自社の魅力を効果的に伝えることができます。
経営計画書を銀行にも渡す
銀行訪問時に実績を報告する
経営計画書は、金融機関にもお渡しします。私が銀行訪問をするときは、同行する社員が毎月の実績を読み上げ、銀行担当者にその数字を経営計画書に記入してもらいます。
業績がいいときも、悪い時も、会社の情報をオープンにして担当者に直接記入していただく。
銀行の融資担当者が本店に稟議をあげるとき、経営計画書のコピーは本店の審査部に渡ります。その際、稟議を上げた融資担当者が直接記入した経営計画書の数字の方が自社で作成したエクセルデータよりも、審査部から信用されやすい。
行員を融資したいという気持ちにする
経営計画書には支払利子年計表が掲載されています。この年計票を見ると年間でいくら利子を払っているかがわかります。2700万円。中小企業としては、大きな額ではないでしょうか。
独り占めするためには融資するしかありません。メインバンクになれば社員の給与振込口座も移る。社員は給与振込口座から公共料金などを引き落とすため、銀行には多額の手数料が入る。住宅の購入を考えている社員は、給与振込口座のある銀行にローンを相談する。メイン銀行になれば、その銀行の成績も上がる。
経営計画書は銀行からの融資を引き出すための道具です。
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