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第四項 使命感がもたらしてくれるもの

使命感を強く持つことは、あなたやチームにどのようなことをもたらしてくれるのでしょうか。私は、少なくとも次の八つのことがもたらされると考えます。

使命感は責任感に通じる

使命感を強く持っていたら、「絶対にお客様の期待を超えて、お客様が笑顔になる商品を作るんだ。そうではないような基準であきらめたり、妥協をすることはしないんだ」という、商品への絶対的責任感が生まれるはずです。

それはサービスや店作り、あるいは本部の仕事でも全て同じことだと思います。

使命感が強くあれば、仕事の責任感も強く生まれるのです。

その結果、お客様にとって本当にいい仕事ができるのです。

自分のチームが、仕事の基準に対する責任感が低いと感じる場合は、使命感の共有ができていない可能性を疑うようにして下さい。

使命感は職業的良心に通じる

お客様の笑顔のためにとか社会がよくなるためにという使命感が心に根付いていれば、まじめなモノ作り、まじめな商売しかしないと思うのです。

そうではないことに対して、気持ちが悪いと感じるようになるはずです。

企業人としての正しい倫理観・道徳観。価値観の根っこを、使命感の強い共有はもたらしてくれるのです。

使命感は内発的動機を高めてくれる

使命感が心の中に打ち立てられると、自然と「もつと高い目標を実現したい、もっと高い基準を実現したい」といヽユ昌みにのぼりたくなる気持ちが湧いてくるはずです。

また、その気持ちは、自分を謙虚にさせてくれるはずです。

「使命感から見たら、自分はまだまだ全然できていない」という自分に対する思いです。

その思いが、さらなる高みにのぼるためのエネルギーになると同時に、学びの心と姿勢をもたらしてくれます。

「いろいろな人やいろいろなことから、もっと学んでもっと吸収して、自分の実践に役立たせたい」といヽユ素直な心と姿勢です。

「足りない」と思うことが少ない人は、学ぼうとしません。

学びに謙虚でない人は、日で言っているほどには、本気で高みにのぼろうとしていないか、危機感が足りない人です。

自分たちにとって耳の痛いことを取り入れることも学びの一つです。そこに進歩があるのです。

自分たちの論理で、新しい知識や知恵を排除して、自分たちを守ろうとする人たちに進歩は訪れません。

成功体験が大きければ大きいほど、それを守ろうとする傾向は強くなるので、経営者候補と呼ばれる人ほど、胸に手を当てて内省する習慣をつけた方がよいでしょう。

使命感は、あなたを「めげない人」に育ててくれる

本当にその使命が自分の人生そのものだという思いにいたると、その使命が実現できていない状態が悔しくて悔しくて、仕方がない。達成できない限りは死んでも死にきれないという思いになるのではないでしょうか。

そうすると、ちょっとやそっとの失敗ではめげない。しばらく落ち込むことはあるかもしれませんが、めげている場合ではないと気づきます。そして、「絶対に成功させてやる」「絶対に見返してやる」「絶対に次はもっとうまくやってやる」という気持ちが湧きあがってくるはずです。

その結果、何度でもリングにあがることができる自分を作り出してくれるのです。

使命感は、あなたのチームのメンバーに「方向性」を与えてくれる

自分たちは最終的に何のために努力をしているのか、この努力がいったいどこにつながっていくのか、それが見えないと社員のコミットメントは次第に低下していきます。

使命感という名の、誰の日から見ても分かりやすい方向性は、社員に努力する希望と夢を与えるのです。

使命感は、あなたのチームに「優秀な人材」をもたらす

やはり仕事はできる限り優秀な人とやりたいものです。実は優秀な人であればあるほど、その仕事が、社会的意義があるかどうかを考えるものです。

もちろんお金は重要なことですが、本当に優秀な人を引き付けるためには、社会的意義のある使命感が重要なカギを握ります。

使命感は、あなたの会社が何者かを明確にしてくれる

いったいこの会社はどういヽつ会社なのか、どういう志を持っているのか。市場に出る時も、取引先とパートナー関係を結ぶ時も、あるいは株式市場や金融機関との関係性においても、常に、このことが見られ、問われます。

特に、日本以外の「世界」に出ていく時には、この問いに明確に答えられるものが必要になってきます。

揺るぎなき使命感は、それを明確に物語ってくれます。そして、その使命感にもとづいて地道に経営をやっていけば、実績が生まれ、言葉だけではない信頼感を与えることができます。

特に、その使命感が、「会社は社会の公器である」ということを理解している会社であると思ってもらえるほど、社会から受け入れてもらいやすくなるはずです。

そして、実際に、例えば中国に展開するならば中国の、アメリカに展開するならばアメリカの経済や雇用に寄与できるような会社を作っていく。そうすれば、その国にしっかり根付き、その国の人々や社会に必要とされる会社になっていけると思います。

使命感は、あなたに「判断基準」を与える

使命感は、自分たちの存在価値そのものですから、会社の原点でもあり、普遍的な目的でもあります。

会社を運営する志であり、普遍的な目的ですから、これが経営者であるあなたの全ての判断基準となります。

それは、経営者としての自分を律するルール、人生のルールにもすべきことです。

つまり、何があっても、そこから外れるようなことはしないと誓い、実践の指針にしていくということです。

例えば「儲けだけを考えたら魅力的に映ることでも、使命から外れていることならばやらない」という判断に活かします。

あるいは「使命から外れているようなやり方で商売を考えない」という判断にもなります。

その逆に、「使命的なことであれば、会社として集中してそれに取り組む」、あるいは「常にその使命の実現につながる成果を追い続ける」という経営の実践をしていくということになります。

いかがでしょうか。

こうやって見てくると、強い使命感が心の中に打ち立てられれば、第一章から第三章で述べた行動のほとんどが、自分の自然な行動として導かれていくように思えませんか。

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