業績が低迷し、むしろ悪化の一途をたどっている従業員約200人の会社がある。社長は外国車で通勤し、応接室は立派なものが二つ備わっている。最近では電話交換機を導入し、専属の交換手を二名配置、さらに守衛所を建設して守衛も二名雇い入れたという。そして今度は厚生会館の建設を計画しているらしい。
にもかかわらず、自社製品を抱えながら研究費の増額には一切手をつけず、工場や生産設備、販売促進に関する具体的な計画も皆無だ。工場では製品を置くスペースが不足し、一部は屋外に放置される始末。雨が降れば慌ててシートをかぶせるという有様だ。社長の興味は経済的な成果を追求することではなく、その成果を浪費することに向いている。このような状況では、その会社が倒産するのも時間の問題だろう。
せめて、少なくとも考えるべきだ。お客様の送迎に使うわけでもない社長の車を、国産の中型車に切り替えることはできないのか。応接室は一つに減らし、あとは事務所の一角を仕切って代用するべきだろう。守衛に関しても、昼間は電話交換手が兼任し、夜間のみ一人配置する程度で十分なはずだ。厚生会館の建設は、まず業績が回復してからに延期するのが現実的ではないだろうか。
一方で、工場に関しては、建物の間にアーケードを設置し、せめて品物を雨から守る工夫くらいできないものだろうかと思わずため息が漏れる。こうした基本的な改善こそ、今の状況で本当に必要な施策ではないだろうか。
この会社の状況からは、社長の経営意識が本質的な経済的成果に向けられておらず、むしろ会社の資源をムダにしている現実が浮き彫りになっています。業績が悪化しつつあるにも関わらず、外国車の通勤、過剰な応接間の設置、守衛や専属交換手の配置、厚生会館の計画など、経済的な優先順位が歪んでいるとしか言いようがありません。
本来、業績が回復するまでは、無駄な支出を抑え、効率的に資源を運用すべきです。たとえば、社長の車は国産の中型車に切り替え、応接間は一つにし、守衛や交換手も必要最小限に抑えるべきでしょう。また、厚生会館の建設も延期すべきです。
一方で、工場の置き場不足に対処し、屋外に置かざるを得ない製品を保護するために、アーケードを設置するなどの対策が優先されるべきです。このような経営姿勢を改めなければ、社長が追求している体裁や見栄えは一時的なもので、会社の長期的な成長にはつながらないでしょう。
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