目標以外でやらなければならないこと職場目標と個人目標のミーティングの最後は、「目標には設定しないが、やらねばならぬ個人業務」の明確化と合意である。なぜ、この作業が必要なのか。それは「責任感」と「協働意識」の醸成のためである。すでに述べたように、組織とは一人ではできないことを、二人以上の人間の強みを使って実現する仕組みであり、それをうまく機能させるためには、分業と協働の促進が不可欠である。分業と協働の出発点は、一人ひとりが、自分の役割と責任を真剣に考えて、その内容をオープン・システムで、みんなと語り合うことである。それがなければ、おそらく、職場は秩序をなくしてしまうだろう。現に、多くの職場には、自分の仕事は個人目標の達成であり、それが仕事のすべてだと錯覚しているようなメンバーもいると聞く。そういう人たちには、「本当にそうだろうか?」、「ミッションに照らせば、目標化されない分業責任があるはずだ」、「職場での自分の責任をどう考えるのか?」と質問したい。こうした質問を自問自答して、得られた答えを文章で書いてみる。たとえば、来社した他のメンバーのお客様に対しては、「〇〇が、いつもお世話になっております」とメンバーの名前を付け加えた挨拶をする。あるいは、「今日、こんな話を耳にした」と自分が得た情報を積極的に開示する。いずれも、協働に関する業務である。その内容は、次の「個人のチャレンジ目標シート」の「上記目標以外にやるべきこと」に記入して、職場のみんなと確認し合う。そうすれば、自分の仕事の守備範囲が明確になり、責任感も刺激され、協働意識も芽生えてくる。
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