- 会社の業績がよい理由の共通点は、新商品、新サービスの開発
- 業績のよい会社は時代の変化に合わせて、新しい商品、サービス、技術を開発
- 販売は戦術なので短期間で真似される
- 中小企業は狭い市場か競争相手のない市場で闘うべき
■新しいビジネスモデルやコンセプトを創る
この節では、古田土会計のお客様の事例を紹介します。
古田土会計は年間2000社以上の経理を見てきていますので、業績でいい会社とそうでない会社の特徴があります。その違いはいったい何なのでしょうか。
私たちはお客様対象に業績のよい会社を分析したことがあります。
対象としたのは、経常利益10億円以上が2社、5億円〜10億円が5社、3億円〜5億円が17社、1億円以上が54社です。
これらの会社の業績がよい理由の共通点は、新商品、新サービスの開発です。中小企業は大企業と違って研究開発のための研究所を持てません。
中小企業でできるのは、新しいビジネスモデルやコンセプトを創ることです。
串1本でもお届けする、きめ細かいサービスで差別化
テレビ東京の「カンブリア宮殿」に出演した株式会社プレコフーズは、「IT企業以外でこんなに急成長しているグラフを見るのは日本の財政赤字のグラフ以来です」と村上龍さんに言ってもらいました。
プレコフーズは、東京の居酒屋さんに焼き鳥の串1本でもお届けするきめ細かいサービスで鳥肉、豚肉の配達から始め、今は自社ブランドの鳥肉、豚肉まで販売できるようになり、そのお客様に野菜の配達、さらに魚の配達までつけ加えて急成長しています。
鳥肉の販売でお客様になってくださった会社に、新たなニーズを引き出して、それをサービス化した典型的な例と言えます。
◆住まいへのニーズを女性スタッフが提案
女性専門のマンションやタワーマンションの仲介、販売で高業績の株式会社プリンセススクゥエアーも同じです。
中古マンションを単に仲介するのではなく、お客様自身も気がついていない住まいへのニーズを、女性スタッフが提案し、管理しています。
きめ細やかな配慮と部屋を探している女性への安心感を与えることで、業績を伸ばしているのです。
◆海外の流行をいち早く日本に
エルゴベビーという赤ちゃんのだっこひもで日本の総代理店になり日本のシェアの50%を確保して急成長している株式会社ダッドウェイが優れているのは、先見性です。
海外で流行っている物が日本でもニーズがあることを察知した経営者の判断が業績を支えていると言っても過言ではないと思います。
◆「はばたく中小企業300選」のユニーク会社
著者は平成28年に中小企業庁の「はばたく中小企業300選」の審査委員になりました。平成27年、古田土会計が「頑張る中小企業300選」に選ばれたことがきっかけだと思っています。
実際に審査してみると、応募してくれた会社に共通するのも、新技術、新サービス、新商品を開発した会社ばかりでした。
面白いビジネスモデルだと思ったのは、高齢のペット専門の動物病院です。
ペットフードの販売から始め、訪問する動物病院、犬専用の車椅子、そして廃校になった学校を借りたリハビリ施設と商品の範囲を広げ、急成長しています。
またいま話題のドローンを使って風力発電設備の保守・管理を行っている五島列島の会社等です。
業績のよい会社は時代の変化に合わせて、新しい商品、サービス、技術を開発しているのです。
商品・サービスで差別化できない場合は、販売力で差別化しますが、市場にはお客様と競争相手しかいません。
毎年、新たな競争相手が市場に出現します。
また、販売は戦術なので短期間で真似されます。
強者は弱者のよい所を真似して資本力で中小企業の市場を奪います。
中小企業は狭い市場か競争相手のない市場で闘うべきです。
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