古田土会計の経営計画書では販売に関する方針に、『営業とは「モノ」を売るだけではなく、「コト(価値)」を売るお客様を創造する活動です』と書きました。
テレビ東京の番組「カンブリア宮殿」にて西川のふとんで有名な西川産業㈱が取り上げられました。
西川産業は創業400年の歴史あるふとん屋さんですが新社長が就任したときには過去最高時の売上の半分になっていたそうです。
そこで新社長は新商品の開発を提案したら、技術部長、営業部長をはじめ大反対だったそうです。
しかし2年をかけて説得し、開発した新商品「エアー」が大ヒット、業績が良くなったということです。ふとんは寝るための道具です。
マットレス「エアー」は気持ちよく寝るための道具です。
会社の方向性を「寝る」から「眠る」に変えることにより、次々と新商品がヒットしました。
小川のせせらぎ、鳥の声、自動車の振動等よく眠れる装置のついているふとん、個人の頭や首を計測して作った枕、さらに眠りのコンサルタントを育成し、街のふとん屋さんに資格を取らせ店の売上を倍増させました。
「寝るふとん」なら価格競争になり、儲かりませんが、「眠り」なら多くの人が悩んでいるので、価格が高くても眠りという価値にお金を払います。
まさに「モノ」からコト(価値)に売る商品をかえたから大成功したわけです。
セブン‐イレブンやローソンは何を売っているのでしょうか。コンビニで一番売れているのは「おにぎり」だそうですが、他の店のほうが安いと思います。
コンビニという言葉で表現されるように「便利さ」というコト(価値)を売っているわけです。おにぎりというモノを売っているわけではありません。
西川産業もコンビニもコト(価値)を売ることにより、新しいお客様を創造しました。
私達、中小企業こそ、モノを売るのではなく、コト(価値)を売ることに戦略(方向性)を変えていかないと、モノでは価格競争に巻き込まれ、大企業に勝てるわけはなく、下請けでは、いつまでも値下げを要求され続けます。
中小企業でも儲かっている会社の商品・サービスはコトを売ってお客様を創造しています。
元佐賀大学教授の上原春夫先生は「人は心地よくなるためにもモノを買う」と言っておられます。ですから「心地よさ」というコトを売り手が買い手に教えてあげれば、お客様は買ってくださるわけです。
代表的な例としては、バレンタインデーのチョコレート、母の日のカーネーションや親孝行の日のプレゼント等があります。
時代とともにコンピューターが発達し、コンピューターに代替される可能性の大きい職業はなくなるかもしれません。
人間にしかできない仕事は存続できます。
会計事務所で考えますと、手続き業務、記帳代行、年末調整、確定申告業務等はコンピューターに代替されつつあります。
他の士業でも行政書士、司法書士、弁護士等の手続き、相談も代替される可能性は大です。
古田土会計が売っている月次決算書では、決算はモノのためにチェックではなく、数字に弱い中小企業の社長、幹部、社員に「お金の儲け方と残し方」というコト(価値)を売っています。
未来会計図は未来のP/Lを作ります。資産別B/Sは、未来のB/Sを作ります。利益計画は、資産別B/Sより作成すると最小の利益と売上で、財務体質が改善できます。
また、経営計画書は、中小企業の明るい未来を創造します。
経営計画書を作ることによって多くの会社が増益し、社員が会社を好きになり、社長を理解し、将来に希望と安心を持ちます。経営計画書ほど会社のコト(価値)を高めるものはないと私は確信しています。
中小企業は方向性をモノからコトに変え、商品やサービスの意味をコト(価値)でお客様に説明し、新たなお客様を創造していけば、時代が変わったとしても成長していけるのではないでしょうか。
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