世界で一番掃除が行き届いていて、きれいな国際空港は羽田国際空港です。ここには日本一の掃除のプロ「春江さん(名字は忘れました)」がいます。
春江さんは中国残留孤児の娘さんです。
中国では中国人として生活していましたが、日中国交正常化により日中の国交が回復したので、お父さんが日本人ということを告白したら、日本人ということでいじめられ、やがて日本に来たら、中国人と言われていじめられ、就職先も見つからなかったそうです。
片言の日本語しか話せない家族にやっと見つかった仕事が掃除。
春江さんはどうにか認められたいという思いで掃除のプロになろうと、掃除の技術を学べる学校に通いました。
そこで羽田空港の掃除会社の常務さんと出会い、技術を学び、羽田空港に入社しました。そして会社でも一番の技術者になり、東京都の掃除の技術コンテストで2位になりました。
常務に報告すると「まだまだ」と言われ、次に掃除の技能士の試験に合格しても「まだまだ」と認められません。
春江さんは常務さんに何が足りないのか聞きました。
春江さんは常務さんに「君の仕事には優しさがない」と言われたそうです。
春江さんはトイレ掃除のときには、利用客に笑顔で明るく挨拶するようにしました。ソファーとソファーの間も点検し小さなゴミも見逃さないそうです。
小さな子供が口に入れる危険があるからです。目に見えないところも深夜の2時頃に掃除していました。
その後、春江さんは掃除の技術コンテストの全国大会で1位になりました。これを常務さんに報告すると「1位になることはわかっていました」と言ってくれたそうです。
常務は62歳で亡くなりました。私はテレビで見て感動しました。
私たちの仕事に優しさはあるのか。この優しさは、まさに相手を想う気持ちです。
仕事に慣れてくると、時間に追われ、こなす仕事になってきます。相手に対する優しさがないものですから、自分中心になり、仕事に感動がなくなり、感動を与えられません。
むしろ業務ミスやクレームになります。
仕事の本来の目的は、利益を出すことでも、大きくなることでもありません。
人様の役に立ち世の中に貢献し、仕事を通じて感動や感謝を体験し、人として成長することです。
そのための手段として会社は、何のために存在するのかという使命感と、会社は将来こうなるという未来像を社員に示さなければなりません。
特に使命感は、社員が誇りを持てるものでなければなりません。上場するとか、大きさではありません。※写真が誇りを持てる会社にする。
帝国ホテルは日本の迎賓館として誕生したのでそこを原点として大義と理念の教育をしているそうです(会長・小林哲也氏)。
私は、会社の社員に対する優しさは、法政大学の坂本光司先生の言っている「人を大切にする経営」であると確信しています。
お客様よりも株主よりも、社員と家族を一番大切にする、仕入先・外注先の社員と家族を大切にする。障がい者等の社会的弱者を雇用し、社会に貢献する。
このような会社を増やすために、坂本先生は「人を大切にする経営学会」を立ち上げました。
私は常任理事として微力ながら貢献しています。
社員のお客様に対する優しさが一番大切です。社長の思いにより、社員満足は実現できます。お客様満足は全社員で実践しないと実現しないからです。
90%の社員が実践しても10%の社員が実践しなかったら、クレームの山です。
社員一人ひとりの心のもちようが大事です。
社員の皆さんへ。
私たち古田土会計のやっている仕事は、中小企業で働く社員と家族を幸せにするために、なくてはならないものです。
この志を理解し、自分の仕事に優しさがあるのか自問自答し、欠けているなら、今から考えを変え、行動を変えましょう。
お客様からクレームで叱られるのではなく、感動してもらえる仕事を共にしていきましょう。
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