後追い設定も必要だただし、1つ問題がある。目標の質的部分の欠落である。納期は守ったが、仕事の質は低レベル。それでは、目標達成とは言い難い。納期目標には、暗黙の前提として、「納期遵守で、かつハイ・クオリティな仕事」というチャレンジ性が組み込まれているからである。しかしながら、手段や手順の質や、明確に描けない成果物の質の高さを、目標設定の時点で具体的にするのは難しい。では、どうするか。やむを得ず、目標の質的部分の詳細は後追い的に設定する。つまり、仕事の終了時点で仕事の質を評価して、それをもって目標設定に代替する、という方法である。一見、不合理のように思われるかもしれないが、すでに研究開発業務などでは実証済みの方法であり、もっとも理想的な仕事の進め方であると考えられる。仕事を進めるプロセスで、当事者と関係者とが話し合いながら、試行錯誤的に仕事の質を極限まで追い求める。それが仕事の面白さを誘発し、自律性も醸成する。結果として、会社の業績が向上する。そういう仕事のやり方が、MBOSが志向するクリエイティブ型目標の理想的な姿である。
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