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実務の求心力は「全社目標」

経営方針の浸透は、ともにハッピーへの気運を高めるのに成功した。しかし、それだけでは組織の求心力としては物足りない。もう1つ、「全社目標の共有化」が必要だ。働く人々は、全社目標を「自分のチャレンジ目標」に落とし込み、その達成活動を展開する。目標が達成されれば、会社はハッピーであり、働く人々も達成感や「努力が報われた」という充実感を味わえる。金銭的報酬も入手でき、ハッピー感が増幅する。また、働く人々は、「チャレンジ目標のPlan→Do→See」の各々のプロセスで、「他力」、もしくは「自力」で働きがいを手に入れる。前者は「他者からの関心と愛情」や「上司からの称賛」などであり、後者は「仕事の面白さ」や「有能感の手応え」などである。このように、会社のハッピーも働きがいも、「チャレンジ目標のPlan→Do→See」なしには入手不可能な世界であり、出発点には「全社目標」が存在する。その全社目標の共有化を図ること。それは、ともにハッピーの実現に向けた臨場感の伴った求心力づくりの作業である。沢井社長は、全社目標の設定と優先順位を、悩みに悩んだ結果、全社目標の1番目が「安全第1(休業災害ゼロ)」、2番目が「黒字達成(年間経常利益1億円以上)」と決定する。従業員が怪我をしないことと黒字浮上とを秤にかければ、やはり従業員の安全が重い。そういう思いを込めて、1番と2番の順位を決めたのである。しかし、このような難度の高い目標を本気になって達成しようとすることは、従業員にとって修羅場以外の何物でもない。なにせ、万年赤字の会社であるために、黒字浮上などは実現不可能だと思い込んでいる人もいる。「そんなハードな仕事は御免だ」と修羅場を避けたい人もいるだろう。このままでは、全社目標は社長と経営陣だけの目標になってしまい、達成するのは至難の業である。

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