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利益計画(目標損益計算書)作成の7ステップ

利益計画を作成することは、企業の経営を安定させるための重要なプロセスです。この計画は目標損益計算書として形にすることで、具体的な道筋を示すものとなります。以下の7つのステップに沿って、利益計画の全体像を見ていきましょう。

目次

STEP1: 経常利益から計画を始める

経常利益は、企業が存続するための基盤となる利益です。不況や競争、資金不足などの危機に直面した際、この利益が企業を支える保険の役割を果たします。したがって、経常利益を「事業存続費」として考え、計画を立てる必要があります。

目標経常利益を設定する際のポイント:

  • 年間の長期借入金返済金額を基準にする。
  • 社員一人当たりの目標利益を設定する(例: 100万〜200万円)。
  • 過去数年の実績に基づいて推測する。
  • 赤字累積がある場合、それを埋める額を目標とする。

たとえば、社員数10名で一人当たり100万円の利益を目指す場合、目標経常利益は10百万円となります。

STEP2: 営業外損益を見積もる

営業外損益には、本業以外の収益や費用が含まれます。具体的には、以下を考慮します:

  • 営業外収益(例: 受取利息や雑収入)。
  • 営業外費用(例: 支払利息や借入金利)。

これらを前年度の実績を基に見積もることで、営業外損益を計算します。

STEP3: 営業利益を計算する

営業利益は、以下の式で求めます:

営業利益 = 経常利益 + 営業外損益(営業外収益 - 営業外費用)

たとえば、経常利益が10百万円で営業外損益が0の場合、営業利益も10百万円となります。

STEP4: 内部費用を見積もる

内部費用は、売上がゼロでも必要な費用であり、大きく次の4つに分けられます:

  • 人件費(役員給与、社員給料、福利厚生費など)。
  • 未来費用(教育研修費、広告宣伝費など将来の利益を生む費用)。
  • 一般経費(旅費交通費、事務費用、水道光熱費など日常運営費用)。
  • 減価償却費(設備や建物の経年劣化に伴う費用)。

内部費用は、過去数年の実績や新規採用計画を基に多めに見積もることが推奨されます。

STEP5: 必要粗利益を計画する

必要粗利益は、以下の式で計算されます:

必要粗利益 = 営業利益 + 内部費用

たとえば、営業利益が10百万円で内部費用が40百万円の場合、必要粗利益は50百万円となります。この段階で、企業が目指す利益額が明確になります。

STEP6: 必達売上高を計画する

粗利益率を基に、必達売上高を逆算します:

必達売上高 = 粗利益 ÷ 粗利益率

たとえば、粗利益が50百万円で粗利益率が50%の場合、売上高は100百万円となります。この粗利益率は過去の実績や新たな目標値に基づいて設定します。

STEP7: 売上原価を計画する

最後に、売上原価を計算します:

売上原価 = 売上高 - 粗利益

売上原価には、商品仕入、材料費、外注加工費などが含まれます。過去の実績データを基に、各項目の割合を考慮して計画を立てます。

利益計画のまとめ

利益計画の目的は、必要な利益額を明確にし、それを達成するための売上高を計算することです。このプロセスを通じて、会社の運営方針やリソース配分を具体化することが可能となります。

売上至上主義ではなく、効率的に利益を確保するための計画を立てることが重要です。これにより、企業の健全な成長と安定経営を実現する基盤が整います。

この記事でわかること
  1. STEP1経常利益から計画する
  2. STEP2営業外損益を見積もる
  3. STEP3営業利益を計算する
  4. STEP4内部費用を見積もる
  5. STEP5「必要粗利益」を計画する
  6. STEP6「必達売上高」を計画する(粗利益率から逆算する)
  7. STEP7「売上原価」を計画する
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