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会社をつぶさずに、安定した経営ができる社長は 理念を深く、広く浸透させてじく。

企業理念やビジョンをもつことが大事だ、とお話しすると、大きく分けて2通りの反 応が返ってきます。 1つは、理念を軽視する経営者。

「理念なんかで飯が食えれば楽なもんだ」といわん ばかり。現場からのたたき上げ社長に多いタイプです。こういう会社は「四の五のいっていないで、どんどん手足を動かせ!」というような働き方を徹底しています。

でも、人は牛でも馬でもありません。ただ働け―・といわれても、働く気は起こらないでしょう。 もし、自分はこういう経営者かもしれないと思い当たるようならすぐに考え方をあらため、社員が気持ちよく、希望をもって働けるように、会社の理念やビジョンを言葉にして、社員に伝えるよう努力することです。

もう1つは「心」とか「誠心誠意」など、わかるようでよくわからない抽象的な理念・ ビジョンを掲げる経営者です。 理念は具体的な内容をもつものでなければなりません。

たとえば、ある会社の「企業理念」は「人の喜ぶところに繁栄あり」というものです。 この会社では、この言葉に続き、「企業活動の展開の仕方、社員のやりがいを引き出 すこと、利益追求だけを目的とせず、生産者、消費者、取引先、株主、社員の五者が喜びを共有できる企業となることを目的に掲げています」と企業理念をまとめています。

まだ規模も小さいのに、そんな立派な理念なんてつくれませんよ、という声も聞こえ てきそうですが、どんな企業も最初の一歩は小さいものです。

でも、掲げる企業理念は会社の規模には関係ありません。 企業理念とは、事業を成功に導くためのみんなが共有できる行動指針なのです。

文章はわかりやすく、読んでいると誇らしく、ワクワクしてくるようなもの。

短すぎず長すぎず、目安は1枚の紙に印刷できる程度にまとめます。

次は、それを目立つところに掲げ、さらに携帯しやすい形にして、社員が常に身につ けられるようにすれば理想的です。

有名な話ですが、世界一のサービスと定評があるリッツ・ヵlルトン・ホテルでは、 企業理念を「クレド」と呼び、それをカード状のものにして社長以下全社員がいつも身 につけています。

いつでも、企業理念に基づいて活動する、という意思の徹底を図っているのです。

理念やビジョンは人でいえば、生きていく基本的な信条、人生を貫く信念にあたりま す。信条。信念はどんな場合にも揺るがぬものであることが大事です。

会うたびに、信 条や信念が変わっている。そんな人を信頼する人はいません。 企業も同じです。

これがわが社の理念だと決めたことを簡単に変えたり、取りやめに したりするのでは足元をふらつかせながら歩いているのと同じ。

ところが、起業後しばらくすると、もっと立派な理念を掲げたいとか、業態を変えたいので理念も変えようとブレる経営者もおられます。

こんな経営者では誰も信頼しない し、誰もついていこうとしないでしょう。理念とは企業の根幹をなすものですから、事業内容が変わったり、拡大発展したりし たからといって、変えるべきものではないはずです。

前述の「人の喜ぶところに繁栄あり」に続く企業理念を掲げた会社は、創業後20 年ほ どたった現在では、創業時の事業を核に、さまざまなビジネスを展開していますが、そ の根幹は「人の喜ぶところに繁栄あり」。

まつたく揺らぎがありません。 仮に思うような業績を上げられなかつたとしても、変えるのは企業理念ではなく、事 業の内容や展開の仕方です。業績が上がらないときこそ、会社の原点である企業理念に 立ち返るべきなのです。

▼なぜ会社をつくるのか、どんな活動をするのかを 簡潔にまとめたものが企業理念。

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