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会社をつぶさずに、安定した経営ができる社長は 鈍感力がある。

「あなたは鈍感だね」というと、ほとんどの人は内心、ムカついているという表情をし ます。鈍感=ぼんやりしていて鈍い―・ととらえ、まるでバカ者扱いされたように思う のでしょう。

しかし、経営者に関していえば、「鈍感であること」は大きなメリットになる場合が 多いことを知っておきましょう。

頭がキレキレにきれ、打てば響かんばかりの反応でてきぱき行動する。経営者にはこ ういうシャープなリアクションが必須であることはいうまでもありません。

でも、こう いう人は概して逆風に弱いという欠点があるものです。少しでも、自分の思いどおりにことが進まないと、げんなりとしおれてしまいます。鋭い刃物は刃先が薄く欠けやすい。それと同じです。

優秀でキレると評判の経営者は、本人もそれを十分に心得ていますから、その自負心 にかけても、仕事はミスなく完璧にやろうと身構えています。

でも、人間はミスをする 生き物。どんなに優秀でも、絶対にミスをしないということなどあり得ません。ところがこういう人は、ミスをした自分を認めたくない。

そこでミスを自分だけで抱 え込んで、できれば誰にも知られずに、自分だけの力でミスをカバーしようとするの です。鈍感力とは気持ちが雑だったり、感度が鈍かったりすることではありません。

そうい うのはただ粗っぽいだけです。

鈍感さとは少々のことに一喜一憂しないで、ドーンと大らかに構えていることをいい ます。

鈍感力のある人は、少しくらい失敗しても、「何ごとにも失敗はつきものさ。次は失敗しないようにやればいいんだ」とすぐに気持ちを立て直すことができます。

他人にどうこういわれても平ちやら。いちいち気にしないのです。

うまくいかなかったことを人に知られたくない、などという妙な見栄ももっていない ので、「どうしたらうまくいくのか教えてください」と若い人や自分より立場が下の人にも頭を低くして聞くことができます。

だから、挫折した場合もすぐに立ち上がれます。

鈍感力が最も効果を発揮するのは、金融機関とのやりとりで、でしょう。

シャープでキレる経営者ほど、銀行がいわんとすることを一歩も二歩も先取りして、 「おっしゃりたいのは、こうこうこういうことですよね」などと自らベラペラしゃべり 出したりします。

これでは銀行の思うツボ。

いわなくてもいいことまでしゃべって手の内を明かしてし まったり、銀行に対していま抱えている不安や不満をもらしてしまったりします。

自社の経営内容に関しても同じです。

「……というわけで、日下は順調に推移しているのですが、先行きに不安材料がないといえばウソになります……」などといえば、先 行きの不安があるところに銀行が積極融資をするわけはなく、銀行からの融資が打ち切られてしまうという最悪の事態さえ招きかねません。

考えようによれば、鈍感力とは、大して必要ではないものごとをスルーする能力だと いうこともできるでしょう。

企業経営の現場では、毎日、さまざまな問題や課題が起こります。その1つひとつを 過敏に受け止め、対応していこうとしたら、経営者の身がもちません。

少々のことには 目をつぶり、これだけは大事だということに重点的に対処していく。こうしたスルーカ、鈍感力があるかないか。経営者の度量はここで計られます。

▼大まかに重要なことをつかんで行動する、 鈍感経営のほうが大成する。

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