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会社をつぶさずに、安定した経営ができる社長は 変化を見逃さなL

早期発見。早期治療。

がん克服にはこれに勝る戦法はないといわれますが、実は、こ れは、すべてのトラブルに対する必勝の法則です。相談者の多くは、ギリギリにまで追い詰められ、打つ手が見つからないといつて相談 にこられます。

事情を聞くと、かなり前から問題の兆しを感じ取っていた、でも、いま はまだなんとかなる、まだ大丈夫、たぶん、なんとかなる……と思っているうちに、気 がついたときには、事態は絶望的なまでに悪化していた、と平然というのです。

前に、経営者は水先案内人であるといいました。経営とは島影1つ見えない大洋を航 海しているようなものです。洋々と広がる海はなだらかで、おだやかで荒れ狂うことなど考えられません。

でも、行く手の空に1点の黒い雲を見つけたら、あの雲は嵐の前兆だとすばやく察知。大雨、大嵐へのあらゆる備えの指示をする。これが船長、つまり、経営者の仕事です。

「異変に気がついた、そのときに何か考えようとしなかったのですか」と聞くと、「と にかく、時間がなくて……」とまたまた言い訳です。時間はつくるものです。漫然と毎日を過ごしているかぎり、時間がない状況からは抜 け出せません。忙しさにかまけていては経営者失格です。

どんなに忙しいときでも市場の動向を見、 会社の業績を見、かすかな異常や変化を感じ取り、変化への対応策を考え出さなければ ならない。経営者にとって、これは最も大事な任務だと心得なければなりません。

現在、あらゆるマーケツトに大きな影響を与えているのは少子高齢化。なかでも少子 化の影響はすさまじいものがあります。

戦後の第1次ベビーブーム期には270万人を 数えた日本の年間出生数は2016年には100万人を割り込んでいます。この激減のあおりをもろに受けているのは教育ビジネスです。

私の相談者のなかに、どこよりも早く少子化対策の必要性を感知し、考えに考え抜き、 必死に新領域の開拓を試みてきた結果、誰も気づかなかったニッチ市場を見出した経営 者がいます。

この経営者は、ある地方都市で長年学習塾を展開し、それなりの実績を示してきまし た。

しかし、少子化が表面化してきたころから中央の大手学習塾がどんどん進出してき て、ただでさえ小さくなつてきたパイを、容赦なく食い荒らされてしまったのです。

そこでミセスやシエア向けのレツスン教室にも進出したのですが、実はこういうもの ほど中央の知名度があるところに人は流れていってしまいます。

私のところに見えたときも「もう倒産するしかない」と半分泣き声で、資金繰りの苦 しさを訴えていました。こういう経営者を叱咤激励するのも私の仕事のうちです。

私は「お宅には長年、地元密着で学習塾を展開してきた信用があるでしょう。それを 生かせば必ず打開策はありますよ」と励まし、半年ほどかけて知恵を総動員した結果、ついに、誰もまだ手がけていないニッチビジネスを見出したのです。

障害児の学童保育事業です。現在、障害児を受け入れる学童保育はほとんどなく、障 害児を抱える親は仕事をあきらめなければならず、大きな問題になっています。

相談者はここに着眼。アフタースクールの障害児を預かる事業に着手。現在ではその ノウハウを積み上げ、フランチャイズ化もスタート。

全国規模に広げ、もはや他業者の 追随を許さない盤石の経営基盤を築きあげています。先見性と独自のビジネスモデルの構築で、倒産寸前だった学習塾経営は一気に息を吹 き返しました。このケースは変化の予兆を感じ取ったらすぐに動くことの重要性を物 語ってあまりあるといえるでしよう。

▼経営環境の変化に勝つ定石は先手必勝。変化の兆しを感じたら、即、動く。

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