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会社をつぶさずに、安定した経営ができる社長は ファンをもってじる。

経営者は企業の中心的存在で、強い求心力をもつていなければなりません。何によって求心力をもつか。それは人それぞれ。

必ずしもシャープな経営力でぐいぐ い人を引っ張つていく、王道をいく経営者である必要はありません。一言でいえば、なぜか、皆から慕われる、なんともいえない人間的な魅力の持ち主で あること。そのほうがずぅと強いのです。

私の知り合いに、こういう社長がいます。

Hさんはファッションショップの社長。

イタリア系フアツションブランドの特約店で すが、日本メーカーがライセンス契約を結んで製作しているので、おしゃれなセンスが ありながら、価格はOLや主婦層もちょっと背伸びをすれば手が届く範囲。

あこがれを くすぐりながらも、現実感のあるブランドです。最近、アパレルプランドは軒並み、不振に悩んでいます。

かつては目いつぱいおしや れを楽しんでいた女性たちですが、近ごろは、若い世代は携帯電話の料金や食べ歩きに より多くお金を遣うようになっていますし、ミドルエイジやシニアの主婦層もヨガや フィットネスなど体づくりや旅行などにお金を遣うようになっているからだといわれて います。

キメキメのおしゃれよリファストフアツションのほうがカジュアルでシンプルで、 かっこいいというトレンドも、売上低下に拍車をかけているのでしょう。

ところがH社長の店は業界の不振傾向には関係なし。アパレル不況のなかでも、売上 はきわめて順調です。

店は仲良し同士が集まるサロンのような雰囲気で、いつも何人かのお客が楽しくお しゃべりしたり、笑い転げたりしているのです。

初めてこの店をのぞいてみたという初 対面のお客でも気がつくと、おしやべりの輪に溶け込んでいたりします。

その理由はH社長の気さくで、あたたかい人柄にあるのでしょう。さらに、お客が安 心してこの店をのぞくのは、H社長の正直で真心あふれる接客があるからです。

H社長は、似合わないものは「あ、それね。あなたには似合わないわ。よしたほうが いい」などとはっきり指摘するのです。

大して似合わないものでも、お客がその気に なっているのを見れば、内心、舌を出しながら「お似合いよ」とか「おすすめよ」など と無責任なセールストークをして、買わせてしまう店が多いのですが。

さらに、H社長は、なじみのお客については、これまでどんなものを買ってくれたか を正確に覚えています。陰で、顧客のデータづくりをコツコツと行っている証拠です。

ですから、お客が何かを手にとると「あ、それ、去年、買ってくださったあのジャケッ トと合わせると素敵だと思うわ」といったりして、お客の「ほしい気持ち」を心地よく 刺激します。

自分のことをそこまで覚えていてくれればうれしくないお客はいません。さらに、あれもこれもと売りつけようとしないこともお客の信頼を集めます。

ときには仕入れの段階から「これはあのお客様に似合いそう」と特定のお客をター ゲツトにした服を仕入れてくることもあります。

こうした場合のセールストークも、「仕 入れにいつたら、あまりにも小泉様にお似合いになりそうな1着が目に留まったので、 勝手に仕入れてきちやいました。

お近くにいらしたらぜひ、寄ってくださいね。……も ちろん、押し売りはしないから、心配はいりませんよ」と笑いで話をしめ、相手に気持ちの負担をかけるようないい方はしないのです。

こんな具合ですから、お客はH社長が大好き。

皆H社長のフアンです。

「H社長がす すめてくれるものを買っていれば間違いのないおしやれを楽しめる。だからついつい 買ってしまうの」と絶大な信頼を寄せています。

こうして自分や自分の店のファンをつくることは中小企業にとって最大の武器。

あの 社長が選んだのなら大丈夫、あの会社なら絶対いいからぜひ買いたいといわれるような 関係性を築きあげたら、もう無敵といっていいでしょう。

▼お客や取引先を社長(会社)や商品のフアンにしていく。

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