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会社をつぶさずに、安定した経営ができる社長は 3行以上の金融機関と借入取引する。

「借入先は何行ですか?」 そう尋ねると、「うちはまだそこまで大きくないので、○○銀行1行に絞っています」 と答える相談者はかなりおられます。

1行とだけつき合っているほうが、銀行に対して誠実だと思い込んでいるのでしょう。前にもふれましたが、あなたの会社にとつて、銀行も取引先の1つです。

たとえば原料を仕入れるときなど、たいていは2、3社に声をかけ、相見積もりをとるはずです。銀行についても同じです。

1行だけに話をもちかけるのではなく、2、3の金融機関 にアプローチして、計画中のプロジェクトについて資金に協力してもらえるかどうか、もちかけるべきです。

いまは、どこの銀行も貸付先を求めています。それなりの手順を 踏んでいれば、門前払いということはないはずです。

都市銀行の地方支店のなかには、都心に本社を構える全国規模の大手企業の、その都 市にある支社や地方工場などをカバーすることを主目的に支店を出店しているケースも あります。こうした場合、工場閉鎖などが起こると、支店も閉鎖される恐れがあります。

また、大手銀行は転勤によりその地方で勤務している人が多く、その土地の出身者が多いわけではないことも要チェック。

何年かすると任地が変わり、せっかく育ててきた人間関係がご破算になってしまうことがあることも考慮に入れておく必要があります。

一方、地域の金融機関の将来有望な若手行員であれば、しだいに昇格していき、いまでは重要ポストについて融資の決定に大きな力をもつようになつている、そんなケース もよくあります。

1行取引のリスクの1つに、合併問題があります。現在、特に地方銀行に、再編成の 大きな動きが始まつています。

もともと地方銀行は各地域に特化する態勢であったはず が、現在は64 行を数えるのが実情です(金融庁・平成29 年4月現在)。

しかも、地域産業の低迷もあり、融資は伸びていきません。

しかし、地銀は地方経済 を支えてきた歴史があり、その存在が揺らぐとただでさえ疲弊する地方経済がますます 弱っていってしまいます。

そこで金融庁は地銀の合併を進めて経営基盤を強化していき、地域経済を支えるとい う地銀の機能を活性化しようと考えているわけです。

信組・信金はク狭域高密着″を掲げて地銀以上に地域に密着し、1軒ごとに小まめに 訪間を繰り返すなど、独自の活動を展開していますが、ここにも再編成の波はひたひた と押し寄せてきています。

合併することになったとき、取引銀行が吸収される側になるとその銀行は力を失い、 以前のように融資してくれない可能性があることも知っておくことが、経営者として大 切です。

借り入れたい資金額にもよりますが、私ならば、信用組合と信用金庫、地方銀行、都市銀行という3タイプの金融機関に話をもちかけます。

それぞれからのリアクションを見ることで、経営者自身も金融機関とのつき合い方を学ぶことができるうえ、競合相手が存在することを知れば、金融機関のほうも緊張感を もって貸付計画を練りあげるでしよう。

こうした関係づくりを進めるうちに、しだいにメインバンクとサブバンクという住み 分けができてくるものです。

また、いうまでもないことですが、借入先銀行に入金口座をつくらないこと。経営者 個人の金融資産の預け入れ銀行ももちろん別の銀行にすること。

万一、経営状態が悪化 し、返済が滞るようなことになった場合、入金をすべて把握されて運転資金にも困るよ うになる可能性を防ぐためです。

そんなこと、常識じゃないか、といいたいところですが、実際は多くの経営者がそれ すらわからず、1つの銀行に何もかも集約しています。

あなたの会社は大丈夫ですか? ▼経営者個人の口座も含めて、取引金融機関は複数もつ。

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