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会社をつぶさずに、安定した経営ができる社長は 金融機関への情報提供の仕方を 心得てじる。

仕事をスムーズに進められるかどうか。それはひとえにコミュニケーションカにか かっているといつても過言ではないでしょう。金融機関との取引も例外ではありません。

たとえば、″手ぶら″ではいかないこと。といつても、もちろん、菓子折りをもつていけ、 ということではありません。

新規取引の場合はもちろんのこと、追加融資の依頼などの場合も、金融機関がほしい のは、あなたの会社の経営実態を示すデータです。

金融機関は取引にあたつて、必ず、直近3年分の決算書の提出を求めます。

それがそろっていなければ融資の検討さえしてもらえません。ところが、それさえ持参していない。

もっとひどい場合には、決算書を1度も見ていない、基本的な数字も理解していな い経営者もいるのにはびつくりします。

銀行に限らず私のところに来るときも同じです。私のところに来る方は、どこかに行き詰まりか、漠然とした不安を感じて来られます。

不安なら何が不安か、行き詰まっているなら、どこがどのように行き詰まっているのか。そこをひも解いていき、対応策を考えていく。それが私の役割です。

コミュニケーションカというと、担当者とどう話すか、どんな言葉づかいをするかと いうようなことを連想するかもしれませんが―データ提供、とりわけ数字を示すことは コミュニケーションの大きな要素の1つだということを忘れないでください。

私も相談を受けると「ここ数年の決算書を見せていただけますか」とお願いします。

すると、「決算書ですね。はい、もちろん、用意してきました」と二つ返事で決算書 を差し出す方もいます。

なかなか用意がいいな、と感心しかけると、肝心な書類が抜け ている場合や試算表だけ持ってくる方が少なくないのです。

経営者として知っておかなければならない数字や確認しておきたい情報がないと正しい判断を下せません。

経営者の最大の使命は、会社を倒産させないことです。企業は赤字になったからといっ て、すぐにつぶれるわけではありません。キャッシュフローがうまくいかなくなる。つ まり、支払いに回すお金が尽きたとき、会社は倒産するのです。

この1年は赤字だったとしても、そこからどうやって黒字に転換させていくのか、ま ず1年先そして3年先まで見据えて資金繰り表をつくって、キャッシュフローが枯渇し ないようにチェツクしていく、これは経営者の最大の仕事です。

景気は変動するのが常ですから、ビジネスがうまくいっているときにお金をためてお き、景気が下降し、ビジネスがうまく回転しなくなつたときに備える。

これを内部留保といいます。内部留保は企業の純利益から税金、配当金、役員賞与などを引いた残り。会計上は「利益準備金」といった名目で、貸借対照表にも計上しなければならない決まりです。

余談ですが、日本企業の内部留保金は2016年度でなんと406兆2348億円に 達しています(2017年9月1日 財務省発表)。

これだけ儲かっているのに、設備投資や社員の賃金アップには回さない。実感なき好況の原因はこうしたところにあるわけです。

融資の話が一歩進んだ段階になると、金融機関はさらに、事業計画書、資金繰り表、 借入金一覧表などの提出を求めます。

こうした書類から、その企業の借入金が多すぎいか、返済が重すぎないか、というようなことを見ていき、そのうえで、「まだ、貸しても大文夫か」を判断するわけです。

場合によつては、他の金融機関からの融資を自分の金融機関の融資に借り換えること を提案できるか、他行で融資や追加融資を断られてこちらに来たのではないか、という ような可能性をさまざまチェックし、新規の融資先とするかどうかを判断していきます。

融資を依頼するプロジェクトについては、借入返済計画書と事業計画書を用意しておきましょう。

事業計画書は、なぜお金が必要なのかを論理的に説明するものであるとと もに、夢のあるストーリー性をもつものでないとダメです。

借入返済計画書には、いつ、いくらくらいの融資を見込んでほしいということを書き、 さらに向こう3〜5年の損益計画も書き添えます。

こうした資料をきちんと整え、「自分の会社は融資を受けても返済がしっかりできる 企業だ」とアピールするわけです。

ここまできちんと情報を整理してある経営者なら金融機関側も高く評価し、融資が得 られる可能性は高くなるはずです。

金融機関は3月に本決算、9月に半期決算を行います。

この両月は決算時の数字を上げるために支店も営業マンも、融資を拡大したいと営業活動にいっそう力を入れます。

新規融資や追加融資を依頼するなら、決算前の2月、8月に融資を申し込んでおくと、 ふだんより融資が受けやすくなることが期待できます。

決算書と一緒に夢のある事業計画書を銀行に提出した経営者は、予定していた2倍の 融資が実現しました。プレゼンの仕方でこんなに違うものかとビックリした。こんなケー スもあるのです。

▼必要なデータをそろえて出向くと、融資の可能性は数倍以上高まる。

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