金融機関と経営者の関係はあくまでもイーブン、対等です。お金を借りているから、あるいは借入を申し込んでいるからといつて、こちらがおど おどする理由は何ひとつありません。
融資を受けてビジネスができるのですから、たしかにありがたいことです。
でも、その対価として金利を支払うのですし、担保を差し出すなどの条件を課せられることもあ ります。借り手は金融機関にとつて収益源、「顧客」であるともいえるのです。
ところが、経営者のなかには、金融機関から何かいわれると二つ返事で応じてしまう 人が多いのです。
何かを提案されると、その場で、「はい、それで結構です。どうぞ、 よろしくお計らいください」などと返事をしてしまいます。
どんな交渉ごとでも、即答は、そこで相手の提案をそのまま全面的に受け入れたとい うことにほかなりません。どんなに好条件の話のようでも、「結構なお話をいただき、ありがとうございます。いつたんもち帰らせていただき、幹部社員たちを交えて検討させてください」といって、 その場で返事をすることを避ける。
これも対金融機関交渉術のポイントの1つです。
実際にもち帰り、冷静になってよく吟味・検討してみると、こちらの思いを汲み取っ た策のように見えて、その実は、銀行側がけっして損をすることがない契約条件だった、 と気がつくこともあります。
「特別な条件なので、いますぐお返事をいただかないと……」などといわれても、「1 日だけ時間をください」などとねばれるだけねばりましょう。
経営者はあなたなのです。最終的に決めるのもあなたです。自社の将来を左右するこ とに即答するのはあまりに早計です。できるだけ時間を引き延ばし、まわりにも相談し て、最終決断を下すようにしましょう。
▼金融機関との交渉はねばりが必要。特に即答は絶対避ける。
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