MENU

会社をつぶさずに、安定した経営ができる社長は 人間的な魅力とつながりが大事。

目次

会社をつぶさずに、安定した経営ができる社長は 人間的な魅力とつながりが大事。

人が生きていくことは、結局は、人間性、そして人間関係に行きつくのだ。これが数々 の辛酸をなめ、140億円の負債と戦ってきた私の実感です。

金融機関とのつき合いも例外ではありません。

お金の貸し借りについてはあくまでもビジネスレベルで進んでいきますが、ときには 酒を酌み交わすなどで、金融機関の方とも心が通じ合う関係になったこともあります。

こういう関係性は、やはりとても大事だと思います。

時代環境が厳しいこともあり、いまは金融機関の社員もノルマを背負っていて、融資 にしてもリスケにしても稟議をあげ、裁可されなければ動けません。

それでも、「社長の人柄には惚れていますから、全力を尽くして支援させていただきます」などといってもらうとうれしいものでした。

いうまでもなく、いくら個人的に親しくても、組織人の1人である金融機関の社員には、できることとできないことがあります。

それでも、その枠のなかで人としての誠意を見せてくれることもありました。

一例をあげれば、サービサーを使うという提案のときに、支店長自らが私の会社に出向いてこられ、「どういう形になっても、当行は貴社の再建に協力しますから……」と いつてきてくれたなど。

こうした場合には、経営再建への意欲がいっそうかき立てられ、 勇気を得たものです。

214 経営者の日ごろの言動も、金融機関とのつき合いに大きく関係してきます。金融機関に融資を申し込む場合には、金融機関側も融資先の企業や経営者について調 べます。

企業の経営状態はもとより、経営者の人間性についてもかなり詳しく調べるようです。

たとえば、地域の商工会議所やJC (青年会議所)、ライオンズクラブやロータリー クラブなどや地域の祭礼、商店街のイベントなどにも積極的に参加しているかどうか。

こうしたことも、案外バカにならないポイントになります。地元にどのような貢献をし て、信用がどの程度あるかを確認していきます。

こうした活動とお金の貸し借りに何の関係があるのだろう、と疑間に思う方もいるか もしれません。

しかし、地域で企業経営をする場合は、日ごろの経営者の言動から、地域のビジネス界に根を下ろしている姿勢があるかを判断したりするわけです。

そして、 それが意外なくらい大きな意味をもつものです。

「あの会社は、あの経営者は、この地域の経済の発展に欠かせない存在だ」という印象 をもってもらえるかどうか。

地域経済と積極的にかかわろうとする姿勢は、地域の金融機関からも好印象をもって もらえ、その後の取引にも有形無形のメリットをもたらすことも期待できるのです。

中小企業の経営は、つまるところ、経営者の意思と行動にかかつています。

▼企業経営、金融機関とのつき合いは社長の人間性がカギ。

あとがきにかえて

倒産もせず、自己破産もせずに140億円の負債を完済するまでの8年間、よくも悪 くも、金融機関とはとことんつき合いました。

一口に金融機関といっても、あくまでも数字本位で押しまくってくるところもあれば、 基本はもちろん数字が大事なのですが、そこに、こちらの苦しさをおもんばかってくれる心が伝わつてくるところもあり、かなりの温度差を感じたものでした。

私は大学生のころから父の会社の仕事を手伝い、特に金融機関担当を任されていまし た。

それに続く140億円もの負債処理……。

こうした経験を通じて、私は「金融機関 とのつき合い方、特に中小企業は金融機関とどうつき合っていけばいいか」については、 かなりよくわかっているほうだと思っています。

しかも、私の場合は私自身が心と体がボロボロになるようなつらい体験を経て得た知識です。

こういっては何ですが、オフィスに座って本やスクールで学んだ知識を振り回 している経営コンサルタントとはまるで違うと自負しています。

金融機関とのつき合い方についてはまだまだ語り足りないことだらけです。

紙数の関 係もあり、本書では書ききれませんでしたが、『会社と家族を守って借金を返す法』『あ なたの会社のお金の残し方、回し方』(共にフオレスト出版)など拙著をお読みいただけば、 金融機関とのつき合い方をさらに詳しく知っていただけると思います。

日本には約580万社の企業があります(総務省統計局「経済センサス基礎調査」平成26年)。

……正確には577万9072社、そのほとんどが中小企業だといわれます。従業員数 から見ると約30 %が大企業、残り70%が中小企業です。

日本の経済はかなりの部分、中小企業で成り立っているし、日本人の暮らしも中小企 業に大きく依っているといえるでしよう。

その中小企業が元気でなければ、日本の将来はない……。ところが、日本の法制度は中小企業に不利なものが多いのです。

加えて、中小企業の 経営者の多くは、仕事の腕はいいのですが、経営に関する知識やスキルはまだまだです。特に、金融機関とのやりとりに関して、あまりにも無防備。

借金を返済し終わった後、私が事業の再建ではなく、経営アドバイザーの道を志した のは、私の経験を中小企業経営のために役立て、日本の中小企業をもっと元気に復活さ せたい、その一助となれれば、という一念からでした。

そのために、これからも、できるかぎり、中小企業の経営者の力になっていきたいと 決意しています。最後に中小企業を活性化させるために必要な制度改正を提示します。

1日も早くこれ らが実現されることを願っています。

この制度を変えないと中小企業は活性化しない

【其の一】信用保証協会制度 ◎プロパー融資と違い、不良債権をサービサー処理できないから。

◎信用保証協会制度を頼る融資制度により、金融機関の目利き力が低下するため。※ 196 ページ参照

【其の二】破産制度

◎約Ю年人生の失敗者扱いにされ、自虐観におちいらせ復活を阻むため。

◎アメリカのように再出発をするための制度に変えるべき。

※ 22 ページ参照

【其の三】サービサー制度

◎本来は再生支援のための制度が、二次破たんを起こす危険が増すように なったため。

◎直接銀行が債務カットできれば、債務者の負担も減るから。※2 04 ページ参照

【其の四】保証人制度

◎第三者の保証人は基本的に認めないという曖昧な金融庁の通達で、実際は 立場の弱い債務者は融資を受けるために第三者の保証人を差し出している ため。

◎はっきり代表取締役だけしか保証人になれないと法制化するべき。借りたお金を返済するのは当然です。

しかし自然災害や取引先の倒産、国際情勢、急 激な為替相場や制度改革、不可抗力などで大きなダメージを受けることもあります。

そのときに対応できるだけの体力のない中小企業は倒産に追い込まれます。日本は借り手責任が非常に重いのです。

アメリカのようにリセットさせて才能ある経 営者が再チャレンジできる社会のほうが、少子高齢化の日本では大きな経済効果を生む はずです。

1度失敗すると2度と再起を許さない、いまの制度は間違っています。

ぜひ再チャレ ンジが可能な社会(夢と希望のもてる社会)に変えていきたいと考えています。

最後に、私からプレゼントがあります。

本書を最後までお読みくださった方のなかで私の個別相談を受けたいという方に、60 分無料個別相談をプレゼントいたします。

次のページに詳細を掲載しておきました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次