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他社品を修理して

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他社品を修理して

F社は梱包資材と機械の販売業者である。 F社長は、梱包機と結束機を重点商品として積極的に販促活動を行っていたが、 実績はサッパリ上がらなかった。

私の勧告は、「機械の売込みの努力は労多くして効少なしである。何となれば、 それは我社の立場を見込み客に押しつけているだけで、お客様の立場を無視しているからだ。

正しい姿勢は、「お客様の要求に応える」ことである。お客様の要求は、まだ使える機械を廃棄して新品を買うことではなくて、今使っている機械が故障した時に、即時修理して、仕事に差し支えないようにしてくれる業者にある。

日本中のほとんどメーカーが、この修理サービスを忘れている。というよりは、いったん機械を売ってしまえば、「あとは野となれ山となれ」式なのだ。

だからあなたの会社で本当にお客様のためを考えるならば、新規売込みはやらずに、故障修理サービスを徹底することだ。

そして、それはあなたの会社で売った機械だけでなく、他社の機械だろうと同様である。

その姿勢があってこそ、お客様は買替え、増設などの際に、その会社に注文するのである」というものだっ た。

F社長は立派な方で、すぐ私の言うことを理解し、自らの姿勢を反省し、直ち に方針を切替えて、修理サービスに力を入れた。

幸いなことに、梱包機や結束機 は簡単な構造であり、パーツさえ取り替えれば、他社品でもほとんどの修理がで きるのである。

この、自社品も他社品もない修理サービスは、お客様に非常に喜ばれた。

そして、新品の売上げも徐々に増え出した。そして、このサービスを始めてから一年半たった頃から、新品の売上げがうなぎ上りとなり、アッという間に三倍増であ る。

ビックリしたのは、F社の梱包機、結束機をD社に納めているメーカーである。 その突然変異の原因を調べた。そして、その事情を知った。

しかも、そのメーカー は私の「社長セミナー」の常連の一人であり、どちらの社長も「一倉セミナー」の同窓生だということが分かり、″同志″だということになったのである。

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