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事業部制でお客様を怒らせる

N社が、新型オフコンの販売促進を狙って導入した「ハード事業部」と「ソフト事業部」の分業制が、かえって顧客の不満を招いた事例です。この事例は、顧客のニーズや製品の特性を無視した組織体制が、どのように事業運営に悪影響を与えるかを示しています。

問題点の要約

  1. 部門間の不統一による不便
  • ハード事業部は販売しやすい小型機の売り込みに注力しましたが、小型機はソフトウェア要件を満たすための容量不足が問題に。
  • ソフト事業部は、自社のハードウェアにしか対応できないため、実際に顧客が必要とするソフトを提供できないケースが多発しました。
  1. 顧客に対する情報不足
  • 顧客が小型機を購入した後で「必要なソフトを稼働させるには容量が不足する」と説明が入るなど、初めから顧客に必要な情報が提供されず、後から追加の費用が発生する事態になりました。
  1. 不満を増幅させる無責任な対応
  • 顧客は、「なぜ最初から必要な情報を伝えなかったのか」と怒りを募らせ、会社への信頼感を失っていきました。

教訓

  • 顧客の視点に立った組織設計が不可欠
  • 顧客にとって、一貫性のあるサポートと情報提供が重要であり、部門ごとに販売や対応が分断されていると、顧客満足度が低下します。
  • 商品やサービスが複雑であればあるほど、組織体制は統一的な対応ができるように設計する必要があります。
  • 事前の情報提供と正確な説明が信頼につながる
  • 顧客が最初に購入する段階で、必要な機能やソフトの要件など、詳細な情報を提示することが不可欠です。最初から適切な提案を行えば、後からの不満を避けることができます。

結論

N社の事例は、顧客視点を欠いた部門間の分断がどのように信頼を損ない、事業全体に悪影響を与えるかを示しています。事業部制を導入する際は、顧客にとっての一貫性と便宜を優先し、必要な情報を最初から提供することで、顧客満足度と事業の成果を向上させることが可能です。

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