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リーダーによる「ひと引っ張り」

では、どうすれば、「はまった」とか、「虜になった」というフローを体験できるのだろうか。自力でフローに突入するのが理想の姿であるが、よほど達成動機の高い人でない限り、一人で実現するのは難しい。普通の人は他者の協力が必要だ。だから第2章では上位計画の理解や職場ミッションづくり、職場目標や個人目標づくりをみんなでワイワイと取り組むことを提案した。ところが、そうやって決めた目標や達成手段でも、実行段階では必ず何らかの壁にぶち当たる。一所懸命に接しても顧客は反応せず、何をやったらよいのか思考も鈍り、モチベーションは低下の一途を辿る。ついにはギリギリ背伸びした目標の達成という修羅場に入るのが怖くなり、他のメンバーが頑張っているのを傍観者のように眺めてしまう。仕事の面白さは、仕事にのめり込む以外には実感できない。そう頭では十分過ぎるほどわかっているのに、いっこうにヤル気が出てこない。そのくせ、一丁前の理屈を述べてはリーダーや同僚を煙に巻く。何とも嫌みな存在である。これは筆者が売れない営業マンだったときの状態だが、チャレンジ目標のDoのプロセスではそういうメンバーが出てくる可能性がきわめて高い。そのときにリーダーはそんなメンバーにどう接するか。「修羅場へのひと引っ張り」が必要である。「悩む前に行動しよう!」「行動しながら考えて、行動を修正する。そういう仕事のやり方に切り替えろ」「逃げてはダメだ。オレがサポートするから一緒に修羅場に入ろう。そうすれば、仕事の面白さがついてくる」そう励ましながら、リーダーはメンバーを修羅場の中に、ぐいっと一歩引っ張り込む。それはメンバーを仕事の面白さへと誘う導火線である。

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