なぜ達成できたのか・できなかったのかを分析する目的は、来期の活動へ反映するためである。要因のうちのどの部分をどのように来期につなぐのか。それをみんなで考えて合意する。それが、職場目標の振り返りミーティングの最終的なアウトプットである。たとえば、ある営業部門では、振り返りの結果にもとづいて、「どんな些細なことでも、必ず誰かに語ってみよう」という来期の職場課題をみんなで合意した。背景はこうである。営業マンのC君が客先で、「最近、会社の社員がたくさん辞めている」という噂話を小耳に挟んだが、「まさか、あの会社に限っては……」、「当社とは直接取引のない会社だし……」と軽く考えて誰にも話をしなかった。ところが噂は本当で、会社の経営は悪化して、取引のあった商社は売上が激減し、商社に物を納めていたメーカーもあおりを受けた。負の連鎖はそれにとどまらず、さらに拡大し、メーカーと緊密な取引関係にあった中小企業が倒産した。C君の同僚の営業マンがその中小企業の担当者であり、彼の売上目標は未達に終わり、それが課の目標達成の足かせとなってしまったのだ。このケースの教訓は「情報を一人で判断しないこと」であり、それは来期以降の活動においてもみんなが意識すべき行動である。
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