働く人々のヤル気の喚起や持続には、外発と内発の両方の動機づけが必要だが、MBOSではとくに内発的動機づけを重視する。内発的動機づけがセルフ・コントロールのもとになっているからだ。MBOSのキーワードは「チャレンジ目標」と「セルフ・コントロール」であり、チャレンジ目標については第2章で解説した。では、残るセルフコントロールとは、いったい何なのか。本書では、セルフ・コントロールとは「内発的動機づけをエネルギー源とする意欲的、かつ自律的な行動」と定義する。もちろん、意欲や自律には、外発的動機づけも影響を及ぼすであろう。だから、他者の称賛や励まし、あるいは叱責なども無視できない。しかし、圧倒的な面積を占めるのは内発的動機づけである。内発的動機づけの面積拡大の努力と工夫をやり続けること。それがセルフ・コントロールの開発であり、チャレンジ目標のPlan→Do→Seeのいずれの場面においても必要なことである。とりわけ、目標達成手段をやり切ることが命のDoの場面では、メンバーのセルフ・コントロールが必須である。
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