経営計画発表会は、企業が一体感を高め、目標達成に向けた道筋を明確にする重要なイベントです。本記事では、発表会の目的や構成、そして成功させるための具体的なポイントについて解説します。
経営計画発表会の目的
経営計画発表会の主な目的は次のとおりです:
- 社員と顧客に未来のビジョンを共有する 発表会は、会社の現状だけでなく、未来のビジョンを示す絶好の機会です。これにより、社員と顧客に会社の方向性や目標を具体的に理解してもらうことができます。
- 経営計画書を実例として提供する 自社の経営計画書を公開し、顧客や他社が参考にできるようにすることも大きな目的の一つです。「百聞は一見に如かず、百見は一体験に如かず」という考えに基づき、計画書の実際の活用法を体験してもらいます。
- 会社全体のモチベーション向上 目標や戦略を全社員と共有することで、会社全体の士気を高め、一体感を醸成します。
会社の未来は事業(商品・サービス)が時代の変化に対応していけるかどうかにかかっています。
すなわち、59ページの図に示したように、①で商売をしていたのでは、時代の変化や競争相手の出現により付加価値は減少していきます。
そこで、今後5年間〜10年間の間に新しい事業の柱を見つけなければなりません。
②のように新商品・新サービスを現市場に投入します。営業活動をしなくても売り込めます。また「新市場を開拓する」(③)必要があります。それは社長の仕事です。
社長が将来こういう事業の柱をつくっていく、我が社はこの事業で将来も発展するという方向性を示すわけです。
これを聞いて社員は納得し、「今年もこの社長について行こう」と思ってくれるのです。
著者が「長期事業構想の基本方針」と事業の柱である「商品・サービスに関する方針」を中心に発表する理由が理解していただけたと思います。
本来なら事業がいちばん大事ですから一番に発表すべきは、事業の未来像なのですが、聞いているのは社員ですから、社員がいちばん関心のある「社員の未来像」から発表するのが社員に協力を得るコツです。
成功する発表会の構成
成功する経営計画発表会を実現するためには、内容の構成が重要です。以下は、効果的な発表内容の例です。
- 社員の処遇に関する説明 社員が最も興味を持つトピックである「自分にどのようなメリットがあるのか」を最初に伝えることで、発表会への関心を引きます。
- 社員の未来像の提示 キャリアパスや将来の可能性について明確に示すことで、社員の安心感や期待を高めます。
- 組織と事業の未来像の発表 会社全体の成長計画や、新たな事業の柱となる商品やサービスについて具体的に説明します。
経営方針を「聞くのは誰か」「実施するのは誰か」というと「社員」です。社員が動かないと会社の実績は伸びません。
では「社員が興味を持つのは何か」と考えると、それは決して環境整備や内部体制等に関する個別方針ではありません。
社員がワクワクドキドキしながら聞くのは、自分たちの未来に関することですから、長期事業構想は社員の未来像を強い思いを込めて発表するのです。
これが経営計画発表会を実りあるものにするための重要なポイントです。
個別方針は、経営計画書に盛り込み、日々の朝礼や勉強会の中で触れていく機会を作ればいいのです。
語るべきポイントは、具体的には、
(1)社員の処遇
(2)社員の将来への5つのコース
(3)組織の未来像
(4)事業の未来像
の順に発表します。
長期事業構想の重要性
特に重要なのが長期事業構想の発表です。市場の変化や競争環境の中で、次のようなステップを計画に組み込む必要があります:
- 新商品やサービスの投入 現在の市場に対して新たな価値を提供し、既存顧客の満足度を高める施策を考えます。
- 新市場の開拓 未開拓の市場への進出を計画し、新たな顧客層を獲得する戦略を立てます。
これらの構想を具体的に示すことで、社員や顧客に会社の未来への信頼感を与えます。
公開型発表会の意義
一部の企業では、経営計画発表会を外部にも公開しています。顧客や同業者が参加できる形にすることで、自社の透明性をアピールし、経営計画書の価値を広める狙いがあります。また、これにより業界全体のレベルアップにも寄与します。
経営計画書の基本方針と商品に関する方針、数字については利益計画と商品別販売計画を作成していますが、11月と12月の中旬までの土曜日と日曜日はほとんど経営計画書作成に費やしています。
まとめ
経営計画発表会は、社員や顧客との信頼関係を強化し、企業全体の目標達成を加速させるための重要な機会です。成功する発表会を実現するには、社員と顧客が共感できる内容を盛り込み、会社の未来を具体的に描くことが不可欠です。このプロセスを通じて、企業はさらなる成長への一歩を踏み出すことができるのです。
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