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「若手がいつかない会社」から脱却し、やる気を引き出す組織をつくる

「若手がいつかない会社」から脱却し、やる気を引き出す組織をつくる

牧野電設株式会社超高層タワーや、500戸を超える大規模マンションなどの電気設備工事を一手に引き受ける牧野電設株式会社。現社長の牧野長氏は、父が興した同社に2002年に入社し、2011年、その父の急逝に伴い事業を承継しました。社長就任以降はコンスタントな新卒社員採用を実施。教育体制を整え、「若手社員がいつかない会社」からの脱却を図り、やる気を引き出す組織づくりを進めてきました。今では社員の平均年齢は20代後半と若返り、女性比率も44%と同業界にしては高い水準となっています。以前の同社は人の出入りが激しく、せっかく採用しても育たないうちに辞めていくということを繰り返していました。原因の1つは教育体制がなかったことです。背景には「仕事は自分で覚えるのが当然で教わるものではない。教育に力を注ぐのは非効率。優しく接したり、丁寧に教えたりしても社員に舐められるだけ」といった、一世代前の考え方が社内にあったそうです。ここに牧野氏は違和感と危機感を覚えます。牧野氏も丁寧に仕事を教えられた経験がなく、入社1年目から自分の担当物件をもち、現場で工事にあたる社外の作業員の間で右往左往。ミスをしては怒られる毎日を苦痛に感じることもあったそうです。社員がすぐに辞めてしまうもう1つの原因は、会社への帰属意識が醸成できていなかったことでした。同社の社員の多くはそれぞれの現場で働きます。直行が大半という業務の性質上、全員が一堂に会する機会もありませんでした。こうした状況を変えるために牧野氏は、「人財に対する考え方を一新する。新卒を採用し、その人財を会社として育て定着させる」ことを決意します。予備知識のない人にも理解されやすいマニュアルや研修資料を自作し、入社時の研修では牧野氏や先輩社員が講師役として登壇。ビジネスマナーはもちろんのこと、現場での仕事内容、電気の基礎知識なども教え込むようにしました。さらに社内に、配線作業などの電気工事を練習できる研修施設を備え、工事現場に出るまでにトレーニングを行えるようにしました。こうした教育体制は教わる側だけでなく、先輩社員の意識を変え、成長を促したそうです。また、社内SNSを導入し情報共有を図るようにしました。社員たちは互いの書き込みを読むことで、自分の担当外でどういった物件があって進捗はどんな状況か、他の人はどんな仕事をしているのかを知ることができるようになり、物理的に会えなくても仲間意識や会社への帰属意識を持てるようになったと言います。「こうすれば社員のやる気が増すとか、会社への帰属意識が高まるというような秘策はありません。1つひとつの施策が積み重なることによって、少しずつ変わっていくものなのでしょう」と牧野氏は言います。組織づくりはルールや制度をつくればそれで終わり、ということはありません。それを継続して活用し、徹底させていくことこそが、組織づくりにおける経営者の役割なのです。【帰属意識を高める、魅力ある組織づくりのポイント】◇社員の成長を促し、自信を持たせる「わかりやすい」教育体制の構築◇社内SNSを通じ情報共有を促進CompanyProfile牧野電設株式会社所在地……東京都練馬区南大泉5‐38‐10資本金……4000万円従業員数…46名(2019年4月現在)https://www.makinod.co.jp/

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