MENU

▼(7)自社経営資源分析にあたっての留意点

この記事でわかること
目次

自社経営資源分析にあたっての留意点

自社経営資源分析を行うにあたっては、いくつかの注意事項があります。

以下でご紹介しておきましょう。

①事実ベースであること

現状や問題点分析をする場合、「社員のやる気がない」といった話が出ることがあります。

おそらく、その問題提起者の視点では「社員にやる気がないように見える」ということなのでしょうが、それはあくまで個人の感想・意見であって、必ずしも事実ではない、または、全員がそうではないことがあります。

ですから、事実としてどんなことが起こっているのかを確認した上で、取り上げるべき問題かどうかを判断する必要があります。

問題提起者になぜそう思ったのかをヒアリングしてみると、「遅刻が多い社員がいる」というようなことが背景にあることがわかる場合もあります。

仮にそうであれば、「時間にルーズな社員が多い」とした方がより的確な表現だということになります。ただし、それが中期経営計画の取り組み課題として取り上げるべきものかどうかはまた別物です。

②重要性や緊急性が高い問題であること

会社の中には問題点がたくさんあります。問題のない会社などありません。

仮に「自分の会社・部署には問題がない」という人がいたら、それはその人に問題意識が足りないから、問題が見つけられないのです。

かといって、たくさんの問題を取り上げたとしても、それをすべて解決するのは不可能です。

人・モノ・カネといった会社の経営資源は有限ですから、重要性や緊急性が高い問題に優先的に取り組む必要があります。

また、人によっては日頃の不平不満をこの時とばかりに並べ立て、言いたいことだけを言って去っていく人もいます。

時にはガス抜きも必要ですが、それに終始してはいけませんし、それに振り回されてもいけません。

③なるべく定量的な表現を心がけること

問題点を抽出する際に、「クレームが多い」というようなことが指摘されることがあります。ただ、これだけではどの程度重要な問題なのかが判断できません。

「納入先の8割から重大クレームとして指摘されている」というような内容であればその重大性が伝わり、対処すべき課題とすべきだということになります。

日本的な組織の場合、内部のまずい点を隠したり、オブラートに包んだ表現をすることがあります。

上をおもんばかってのことでしょうが、それでは逆に問題の重要性が伝わらず、対処が遅れることにもなりかねません。ですから、まずいことほど具体的に明らかにして対応策をとっていく必要があります。

④単なる問題点指摘に終始しないようにすること

現状や問題点分析をする場合、いろいろな問題点が抽出されますが、問題点抽出とその整理で終わってはいけません。そのため、図表1-9にあるように「取り組むべき課題」までを明確にしなければなりません。

ただし、どのように取り組むかについては、後ほど出てくる戦略立案と戦略課題抽出のプロセスで、重要性と緊急性の優先順位をつけて別途検討と取り組みを行うことになります。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次