この記事でわかること
次はいよいよ基本戦略です。
基本戦略は、ビジョン設定パートの経営ビジョン・経営目標と自社経営資源分析パートの現状とのギャップを埋められるような大きな戦略設定をします。
基本戦略は、3~5本位の柱を打ち出します。
基本戦略の要素は、図表3-5のように
- ①既存事業の事業展開(地域軸・顧客軸・商品軸)に関わる戦略、
- ②新規事業の分野や展開に関わる戦略、
- ③機能強化(開発・製造・購買・営業など)に関わる戦略、
- ④経営基盤(財務・人事・経営管理・情報システム等)強化に関わる戦略、
- ⑤企業グループの組織編成に関わる方針、
- ⑥その他(時々のテーマに応じて)
の6つとなります。
すべてについて言及しなければならないわけではありませんが、ギャップを埋めるうえで重要となる戦略を上位から順に選択します。
企業によっては、「基本戦略」ではなく「基本方針」などの表現をするケースもあります。日本企業は「方針」という言葉を好みますが、「戦略」に比べると曖昧性が残るように感じます。
基本戦略のポイントは、「FromTo」をはっきりさせることです。
図表3-6の例にあるように、これまでとこれからの違いをはっきりと提示します。
記述の仕方としては、FromToの部分のToの方を基本戦略として記述します。ここで、プロローグで検討したパラダイムシフト(構造改革)が生きてきます。
構造改革しなければならない項目のうち、今回の中計で特に強く打ち出さなければならない事項を、基本戦略として打ち出すのです。
基本戦略のチェックポイントは、「仮にこの基本戦略が成功した場合、前項で抽出したギャップが埋められ、経営ビジョンや経営目標が達成できる可能性があるか」です。
もしその見通しが立たない場合には、基本戦略自体を見直す必要があります。
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