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▼(2)中期経営計画をローリング(期中修正)する方法としない方法

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▼(2)中期経営計画をローリング(期中修正)する方法としない方法

中期経営計画を作成した後、その後の運用をどうするかで大きく2通りの方法があります。

1つは、1年経ったら見直しを行い、再度次の3年間の中期経営計画を作り直す方法で、「ローリング方式」といいます。(図表6-2)

もう一つは、一度3カ年の計画を作ったら、3年目の目標は変えず、1年目・2年目・3年目…と予算を作って運用していく方式で、「フィックス方式」と呼びます。

調べてみるとフィックス方式の会社が多いようですが、エレクトロニクスなど外部事業環境変化の激しい業界では、3カ年フィックスとはなかなかいかないようです。

①ローリング方式で起こりがちな問題点・課題

事業会社で中計の策定に携わっていた頃、ローリング方式を採用していたので、中計を毎年作った経験があります。

一方で、フィックス方式の経験もあり、それぞれのメリットデメリットを整理すると図表6-3のようになります。ローリング方式は、環境変化を柔軟に取り込めるというメリットがあるのですが、その反面デメリットもあります。

一番の問題点は、毎年作成するために、手間を省いて計数計画中心の経営計画になってしまいがちだということです。また、毎年作り直すので、2年目・3年目の目標が軽くなり、中期的な取り組みが弱くなります。

②ローリング方式のデメリット対策

こうしたローリング方式のデメリット対策として、図表6-4に示すような対策案が考えられます。

作業量の多さについては、一定の書式を決めて見直すようにすれば負担軽減にもつながりますし、目標や達成意欲の希薄化については、コミットメント方式を採用したり、年度ごとのマイルストーンを明確化したりするなどの対応策が考えられます。

いずれにしても、中期経営計画は対外発表も行い、株主に約束するものでもありますので、責任感のある運用を心がけてほしいと思います。

③フィックス方式のデメリット対策

フィックス方式のデメリットは、大きく分けて、「見直しが必要になる」ということと「フォローしないと途中から忘れられる」ということです。

見直しのポイントについては、(1)②で紹介した3つの事例に基づいた4つの見直しポイントを参考にしてもらえればと思います。

また、「フォローしないと忘れられる」という問題点については、後述します。

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