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□過去の採用失敗事例から見えてくる現実

PDCAサイクル(plandocheckactcycle)と呼ばれる改善活動があるのをご存じでしょうか。

新しく商品やサービスを作っても、お客さんの感想や意見をもとにさらに商品・サービスに改良を加えていくことです。

これを繰り返すことで、どんどんよい製品となるため、顧客満足度も上がり、クレームも減り、企業に利益をもたらし始めます。

このPDCAサイクルは、商品開発だけではなく、経営戦略や人事制度、総務業務、さらにはホームページまで、ビジネスの現場では当たり前のようにしなければいけない行為です。

PDCAサイクルを日本向けに分かりやすく一言で言うと、「改善活動」。問題があれば改善をするのは、当然ですよね。

ところが、採用活動は一年を通じておこなわれないためか、この意識が非常に希薄です。

中小企業の場合、人員が足りないこともありますし、採用できてしまえばホッとして採用以外の仕事に戻るため、その採用活動の質について、振り返りもしづらいのです。

営業活動では実施していたとしても、採用活動においては、クレームや改善要望を出すお客さん(現場)から、アンケートをとることもなかなかしないでしょう。

結果として、求人媒体を変えただけなど、次回の採用も前回とほとんど変わらない方法で採用をしやすいのです。

残念ながら、それでは、いつまでも前に進めません。ですから、必ず採用活動を終えてから、振り返る必要があります。

採用に成功した事例と失敗した事例を振り返るのです。その際、特に役立つのが失敗事例です。

まずは、あなたの会社で、過去に採用で失敗したなと思われる人を思い浮かべてみましょう。

いかがですか、何人か浮かんできましたか?

  • ①その人たちは、入社後、社内でどのような行動をしていましたか?
  • ②結果として、周囲からどう思われていましたか?
  • ③辞めた理由は何
  • ④その人の何が問題だったのでしょうか?

これをとりあえず紙に書いてみてください。

結論が「仕事ができなかったから」などの抽象的な理由ではダメで、何が理由で仕事ができなかったか?を把握することが大事です。

その結果を眺めて考えてみましょう。

実際に紙に書いていただき、分析してみると、きっと「人として」というところに行き着くと思います。

例えば、実際に採用の失敗事例を振り返ると、「仕事はまあ、そこまでできなくはない。作業的なことであれば言われたことは何とかできていた。でもやはり、周囲とうまくいかなかった」などもあれば、「素直さがなく、何かを注意しても、言い訳をしたり、不満そうな顔をしたり、改善する様子がまったくなかった」などさまざまな理由がでてくるでしょう。

しかし、この手順を踏むとほとんどの場合は、「人として」つまり、「人間力」に起因する内容になることが多いのです。

仕事というのは、一人だけでおこなうことはほぼなく、必ず誰かとかかわります。最後はお客さんが満足するかどうかです。

お客さんは社外だけではなく、上司・同僚・部下・社員全員というように、社内外のさまざまなところに存在します。

本書で辞める三条件をあげましたが、基本的に、ビジネスをするにあたって、すべての行動に人がかかわります。専門知識や技術がいくらあっても、それを活用するためには、社内外での人とのかかわりが必要となります。

自社の採用失敗事例を分析することで、この「人間力の重要性」という現実に気づいた会社から、次のステージに上がれるのです。

社内と接するという点からも、一人の技術屋ではなく、チームという視点を持って、チームメンバーとしてふさわしいかどうかを選考中に注意して見ることで、採用の失敗を回避しやすくなります。

PDCAサイクルにおいて、最も重要な行程は「Cのチェック」です。

振り返ることで、問題認識からはじめ、過去の失敗を見ながら、採用したい人材像を決めましょう。

改善活動に関しては、『採用の教科書1』でも触れていますが、とにかく大事なので再度、本書でも書かせていただきました。

【■POINT■過去の失敗例を振り返れば、結局は人間力が原因の場合が多い。

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