弊社に相談に来られる経営者の中に、「辞めない人材が欲しい」という要望を持ち、求める人材像でもそのような条件をあげる経営者がいます。
実はこれも採用で失敗しやすい思考パターンです。気をつけましょう。辞めやすい人は確かにいます。
人は四つのタイプに分けることができますが、
- 「自分に厳しく、人にも厳しい」
- 「自分に厳しく、人には優しい」
- 「自分に優しく、人には厳しい」
- 「自分に優しく、人にも優しい」
だいたいこの四つです。
その中で三番目の「自分に優しく、人には厳しい」タイプは確かに辞めやすい人です。
このような人を「他責的」と言いますが、何かがあると会社や周囲の責任にし、自分に非があると認めません。他責的だと職場でも人間関係を構築しづらく、居心地も悪いため、転職を繰り返しやすいのです。
そういう人材を採用しないのは当然のことですが、「辞めない人材が欲しい」と連想する時点で、発想が他責的であり、採用の失敗を繰り返します。
これは「抜けた穴」のところでもお話しましたが、辞めない人材に目を向けるのではなく、辞められた理由に目を向けることが最初にするべきことです。
「辞めない人材」とは、ただひたすら耐える忍耐力がある人でしょうか。我慢強い人でしょうか。
いえいえ、そういう人を採用したいと思うのではなく、自社内にある辞める原因を探して改善していくほうが、会社の未来のためになります。
ある程度の立場になればなるほど失うものが大きくなるので、多くの場合自分が犯した失敗は認めたくないものですが、それでは採用活動や人事問題は改善されません。
現状の問題点を素直に認めることが、まずは第一歩です。
- 辞めた人材に問題があるのか。
- 辞める理由が会社にあるのか。
- 辞めたくない環境を作れなかったのか。
辞めたという事実は一つでも、とらえ方によって採用活動は大きく変わります。もし失敗するパターンの思考法をしてしまっているのならば、今日から変えてしまいましょう。
【■POINT■「辞めない人材を採用したい」という発想そのものに問題がある。】
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