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転職市場にいる人材を見きわめよ

あなたが私の前著『採用の教科書1』を活用して、求める人材像が明確になったとします。

その「求める人材像」が、〝エースで四番のような超一流の即戦力人材像〟になってしまった場合に、考えていただきたいことがあります。そういう優秀な人材はそもそも転職市場にいるのか?ということです。

言葉は悪いのですが、川にはタイがいないのに、あなたはタイを釣るための道具をそろえて川に向かっているのかもしれません。

現実にほとんど存在しない人材像を設定すると、川にタイがやってくるのを待つしかない状態が起こります。

実際は全くそのような人材がいないわけではありません。

私のクライアントでも、他社から人間力もある現役エース級の人材を理念と価値観によって振り向かせ、勤めている会社から転職させたことは過去、何度もあります。

しかし、そのようなケースは採用に時間がかかるのを覚悟しなければいけません。

つまり、ある程度は時間的に余裕がある状態でなければできないことなのです。

時間はない、お金はかけたくない、求める人材像が即戦力、しかし、採用戦略もなければ、自社をよい会社にするための社内改善もしない。これで希望の人を採用できるほど、人材の争奪戦は甘い世界ではないのはお分かりでしょう。

ここで、あなたに質問をします。

  • ・あなたの会社が求める人材は、どんな会社のどのような役職についていて、その会社の何に悩んでいたり、不満を持っていると思いますか?
  • ・その人の悩みを解決できる職場を提供できそうですか?
  • ・その証拠は?実績は?
  • ・そして、あなたの会社は、その人に入社後満足して長く働いてもらえる環境でしょうか?
  • ・その証拠は?実績は?
  • ・さらに、その人に自社の求人情報を伝える戦略と戦術は何か考えていますか?

もし、あなたの会社がこれらを明確に回答できれば、普通は転職市場に出てこない隠れ転職希望者の心に響き、エース級の人材を引き抜くことができます。

しかし正直に言いますと、これは採用のプロがついて客観的に自社を分析してもらわなければ、難しい内容です。正確には採用のプロがついていても、超一流人材の採用には時間がかかります。

でも、もし、「うちで育てるから、そこまで即戦力人材でなくていい」と言うのであれば、『採用の教科書1』と本書を活用することで、あなたの会社がよい人材を採用できる確率はかなり上がります。

ただ、それでも気をつけなければいけないことがあります。

それは同業他社からの応募者で、面接をした結果、非常によい人材だと面接官が思った場合、その人がなぜ転職するのか?という理由です。

前に言及した「会社を辞める三つの理由」のどれかにあてはまるでしょうが、それが応募者の自責的視点か他責的視点かを正確に見きわめる必要があります。

優秀であっても疑い、見きわめる必要があり、応募者が転職市場にいる理由を常に考えなければいけません。だから中途採用は難しいのです。

【■POINT■海を調べずに作った航海図では、船は目的地につかない。】

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