前項の考えのもと「求人広告費用」や「人材紹介料」、「交通費」、「会場費」、「出張費」、「採用担当者の人件費」や「教育担当者の人件費」などこれまでの人材採用にかかった〝総求人費用〟をおおまかな金額で計算しましたか?実際に計算をすると分かりますが、採用担当者や教育担当者の人件費まで含めると、驚きの金額になったと思います。
前項の最後にも記載しましたが、応募者の数が増えるほど、採用にかかわる人の工数を使います。
中小企業の採用担当者は、通常別の仕事もしていますので、採用に使った工数分、ほかの仕事ができなくなり、結果として売り上げに影響を与えます。
例えば、営業のエースが面接官に任命された時を考えると分かりやすいでしょう。面接をしている時間、営業ができないのですから、会社の売り上げは落ちます。
ですから、『採用の教科書1』で話したような選考フローや採用活動をした方がよいのです。そして、もっと重要な採用の本質をお話します。
それは、欠員補充の場合にかかった求人費用は、そもそも欠員が出なければ一円もかからない費用だったということです。そう、欠員さえ出なければ総求人費用は0円なのです。
つまり、自社の定着率が高ければ、採用経費を削減でき、結果として利益を増やすことができます。
その増えた利益をスタッフのボーナスや職場環境の整備、福利厚生などに使えば、スタッフの定着率がさらに上がります。
病院の看護師採用などは、転職しやすい専門スキルもあるため人の入れ替わりが激しく、どの病院も人手不足で、人材紹介会社がかなり活用されています。
人材紹介料として毎年、五百万円以上使っている病院も珍しくありません。弊社のクライアントにも病院がありますが、ここでも同様のケースが見られました。
しかし、その病院の理念を明確にし、採用を見直した結果、早期退職者や既存スタッフの退職者も減りました。もちろん人材紹介会社を使うこともなくなり、結果として、その後、年間五百万の経費削減になった事例など多々あります。
【■POINT■欠員補充にかけた採用費は、本来なら必要のない費用である。】
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