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会社を辞める三つの理由

新卒で入社をして、定年まで勤めるという終身雇用は崩壊し、どの人も一生のうち転職を一度や二度経験するといわれるような時代になりました。

しかし、一回も転職をしない人や、定年まで働く社員が多い従業員満足度の高い会社もしっかりと存在します。

ここであなたに質問です。

「会社を辞めて転職をする人は、入社時から転職を考えていたのでしょうか?」答えはノーですよね。通常、中途採用者や新卒者が入社をするときは、こう考えます。「この会社で頑張っていこう」「もう就職活動はしたくない」「もう転職はこれを最後にしよう」と。そうです。

ほとんどの人は入社のとき、その会社で長く働くことを心に誓って働き始めます。特別な理由がある場合を除き、入社時から「半年や一年で退職しよう」と思っている人など普通はいません。

ところが、実際は半年や一年で辞めて転職をする人が現実にいるわけです。

先ほどの辞める人材・辞めない人材とも関係しますが、人が会社を辞めるのには、実はそこに〝ある理由〟が存在します。

スタッフが会社を辞める理由は「お金」「やりがい」「人間関係」のどれか、または同時に複数の問題が発生したときがほとんどです。

会社側の視点で考えると、これらの満足を会社が与えることができなかったから、スタッフは辞めたのです。

「お金」とは給与やボーナス、残業代、昇給などです。従業員満足度の一要因として必ず存在するものです。仕事にやりがいがあって、どれだけ人間関係がよくても、生活できる給与でなければ、結局辞めざるをえません。

また、何年働いても生活水準が変わらないのであれば、結婚や子供、住宅や将来の人生設計のことを考えると、ほかの会社に目移りするのも当然です。

昇給がまったくなければ、未来にも希望を持てないですしね。

特に給与に関しては、周囲の人と比較をする人も多く、友人と給与の話をして「え?そんなに安いの?どうしてそんなところで働いているの?転職したほうがいいよ」とアドバイスをされている人は、今この瞬間も日本のあちこちにいるはずです。

総求人費用に使った金額を計算し、採用の仕組みを変えて、余計な求人費用が発生しないようにしたら、その分をスタッフに給与やボーナスとして支払ったほうが、会社はよくなると私は思いますが、あなたはどう思いますか?退職の連鎖を止めるために、欠員により負荷がかかっている既存スタッフの給与を一時的にでも昇給させるなど、お金の使い方はいろいろとあります。

次に「やりがい」です。

顧客満足度の項でもご説明しましたので、これは言うまでもないでしょう。

そのほかにも、会社という「場」が、自分が成長できる場所ではないと思われたり、自分のしている仕事が有意義な仕事だと認識させることができなければ、スタッフはもっとやりがいのある仕事を求めて転職していきます。

ただ、勘違いをしてほしくないのですが、この「やりがい」だけでは人は定着しません。

ほかの二つの要因にも同時に目を向けなければいけないのです。

ここで少し裏話をさせていただきます。

中途採用をしている弊社のあるクライアントは、この「やりがい」を自社のホームページで上手に伝えることにより、他社で働く優秀な人材から応募があるようにしています。

逆に、このクライアントのスタッフにも他社からの勧誘がきているかもしれません。

採用活動は他社との戦争なのです。

人口減少により、労働人口が減れば減るほど、この動きは加速します。仕事の「やりがい」は、ちゃんとスタッフに伝わっていますか?ここで少し事例をご紹介します。

有名な話なのでご存じかもしれません。

ある経営者が、自社の電球工場を回っていたとき、つまらなそうに電球を磨いていた従業員を見つけました。彼は電球を磨く仕事に「やりがい」を感じていなかったのです。当然だと思います。

ただ、電球を磨けと命令されたら、やりがいなど感じられるはずがありません。経営者はその従業員に、「君、いい仕事しているね」と話しかけたのです。従業員は全然納得がいきませんでした。

「どこがいい仕事なのですか」とその従業員が経営者に問うと、経営者はこう続けました。

「君が磨く電球のおかげで街に街灯がつく。その街灯のおかげで夜遅くに怖い思いで歩いていた女の人も安心して家に帰れるようになる。昼間働いている母親が仕事が終わって帰ってきても、家が暗ければ子供に絵本も読んであげられない。

勉強したい子供がおっても暗くて勉強ができない。そこであんたの磨いた電球をつけるんや。そしたら、絵本も読んであげられて親と子供のつながりもできる。勉強したい子供も勉強できる。あんたの磨いているのは電球じゃない。子供の夢を磨いているんや。もの作りはものを作ったらあかん。その先にある笑顔を作る仕事や」

この言葉に感動した従業員が、自分のしている仕事にやりがいを持ったのは言うまでもありません。モノではなく人をつくっている会社のエピソードでした。

この経営者こそ、パナソニック株式会社創業者の松下幸之助です。仕事というのは必ず誰かを喜ばせています。それを伝えるのは、経営者であり上司の仕事です。

もし、どうしてもやりがいを持たせられない仕事であれば、あなたの会社のスタッフにさせず、外注(アウトソーシング)し、社外に持って行くというのも人材流出を防ぎ、自社スタッフを守る一つの考えです。

三つ目の条件、「人間関係」についてお話します。人間関係を理由に退職する人も多いのは、容易に想像できると思います。特に退職者が目立つ職場は、その職場の上司や経営者の人間性に問題がある場合が多いです。

パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント、仕事の能力やマネジメント能力、情報共有力の欠如、透明性のない評価をするなど、上司として適格でない人が管理職をしている会社は残念ながら存在します。

これは企業規模に関係がないのです。大企業でも人間的に問題のある管理職はいくらでもいます。管理職でなくても、職場で影響力のある″ボス的な人〟の人間性に問題があれば、似たような状況となります。

社内イジメは現実として多くの会社で存在するので、うちは大丈夫だろうと思わないことです。後ほど詳しくご説明しますが、採用する人の「性格面」はとても重要です。

採用活動を見直して、今後入社する人に気をつけるのは当然のこと、現在のスタッフ(特に管理職)の人間性も、日ごろからよく見ておく必要があります。

【■POINT■人が辞める三つの条件から、自社を見直し、まず問題を認識する。】

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